神無月と神有月と日本の神

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神無月と神有月と日本の神

10月下旬から12月上旬の旧暦の10月は神無月(かんなつき)と呼ばれ、日本中の神が”街道をゆく砂鉄のみち(出雲)“で述べている出雲大社に集まるため、神がいない月となるため、そのような呼び名になったとも言われている。

一方、神が集まる出雲地方だけは、この月は神有月(かみありづき)と呼ばれ全国から集う八百万の神へと奉げるさまざまな神事が執り行われる。

出雲観光HPより

キリスト教の核心を読む 三大一神教と旧約聖書とアブラハム“で述べているように、キリスト教やイスラム教などの一神教の神は唯一の絶対的な存在として描かれ、宇宙を創造し、全知全能であり、世界と人類の運命を司る存在とされている。よって、集まって合議などは行ない。

それに対して、日本の神は、古代ギリシャやローマの神話、ヒンドゥー教などの神と同様に、複数の神々が存在して、それぞれが特定の自然現象や人間の側面を司り、自然の力や人間の営みに関わっている。それらの神々は自然や生活のあらゆるものにが宿り、日本では神有月に一堂に介して群議を行うという日本的な世界観に根ざしたものとなっている。

日本での神を敬う宗教は、神道と呼ばれている。世の中の宗教名の多くは日本語では「○○教」と呼称するが、神道の宗教名だけは「神道教」ではなく、単に「神道」となり、神と人間を結ぶ具体的作法に則ったもので、これは「神の道」を意味し、日本の神々や自然霊を敬い、祀ることを通じて、自然との調和や生活の安寧を図る宗教的・文化的な実践となっている。(参照神道入門)

「○○道」は、”茶の歴史と日本の茶の湯“でも述べている茶道や”ゆらぎの美 -日本画と和様の書について“で述べている書道、”明治のアート フェノロサと岡倉天心と茶の本“で述べている武士道や、柔道や剣道などの武術など日本文化の様々な場面に現れる。

この「道」において、最も重要な役割を果たしているものに形(型)がある。形は基礎としての役割を果たし、例えば柔道や剣道などでは、形を繰り返し練習することで、精神の統一や集中力が鍛えられる。また、茶道や書道などは、先人から受け継がれてきた伝統や知恵を現代に伝える手段にもなる。

神道における形は、儀礼や建築、装束、祭具などに見られ、神聖な空間や行為を生み出すための重要な役割を担っている。これら人の神を敬う行為における形は、季節や人生の節目に合わせた祭礼や儀式での、自然や神々への感謝、祈願、そして生活の安寧を願う文化的・精神的な作法であると共に、それを行うことで本質的なものへの気づきや自己の成長と他者への敬意をえることができるものとなっている。

また日本の神道は、仏教の歴史 いかにして世界宗教となったか

禅の思想と歴史、大乗仏教、道の思想、キリスト教“にも述べられているように、非常にフレキシブルな教えを持つ仏教と古代から長い歴史の中で混ざり合い、文化的・思想的な深みを持っていくこととなる。

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