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ディス・イズ・ボサノヴァ
2007年の夏に公開された”ディス・イズ・ボサノヴァ”は、1950年代末にブラジルで生まれたボサノバの魅力に迫るドキュメンタリーで、昨年(2023年)亡くなったボサノバ界の巨匠カルロス・リラとホベルト・メネスカルが語り手となってボサノバゆかりの地を訪れ、様々なエピソードを披露するものとなっている。
ボサノヴァは1950年代後半から1960年代初頭にかけてブラジルで生まれ、その名前はポルトガル語で「新しい傾向」や「新しい波」を意味し、ジャズとサンバの要素を組み合わせた夏の日の夕方の海辺に似合う”おしゃれ”な音楽として知られている。
“ディス・イズ・ボサノヴァ”では、若者たちがコパカヴァーナのビーチに集まりギターを弾いたり、ミュージシャンのサロン状態だったナラ・レオンの高級アパートメントなどの情景が描かれ、ボサノヴァの上品なイメージを感じ取ることができる映画となっている。
また、ボサノヴァの著名なアーティストとして挙げられるアントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルトなどもこの映画では取り上げられている。
アントニオ・カルロス・ジョビンは、サンバとブラジル北東部の民族音楽を基調に、クラッシックやジャズのハーモニーや旋律を深くそぎ落とし、モダンな音楽を作り出し
ジョアン・ジルベルトは悲しみや喜びのような感情を、濃厚でシリアスに歌い、ギターのハーモニーは一音一音丁寧に選び抜かれ、歌と一体化したスピリチュアルな体感を与える。
また「ガール・フロム・イパネマ」の英語バージョンを歌ったアストラッド・ジルベルトは、国際的なボサノヴァブームを引き起こしている。
ボサノヴァは、”ジャズの概要と機械演奏“で述べているジャズミュージシャンたちにも影響を与え、多くのジャズスタンダードがボサノヴァのアレンジで演奏されるようになっている。
ボサノヴァの歴史に関する図書としては、ルイ・カストロによるボサノヴァの歴史やがある。
残念ながらこれらの図書や”ディス・イズ・ボサノヴァ”のDVDやBlu-rayは現在は廃盤となっており、中古品でしかみることはできない。
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