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箱根の地理
箱根(Hakone)は、箱根は、神奈川県と静岡県の境に位置する箱根山を中心に形成された地域であり、美しい山岳地帯で、温泉、自然、歴史的観光地として有名な場所となっている。
箱根の中心にある、箱根山は現在も活動している活火山で、約7万年前に始まったとされる火山活動の結果、現在のような火山地帯が形成されており、大涌谷のように硫黄を含む蒸気が噴出している場所もある。
また箱根山の中心にある芦ノ湖は、箱根山の火山活動によって形成されたカルデラ湖で、周囲を山々に囲まれ、特に湖畔からの風景が美しい景色が楽しめる場所となっている。
また箱根山の南側には湿原や草地が広がっており、仙石原は秋には、すすきの原野が広がり、観光名所としても有名な場所となっている。
箱根の地理的特徴は、自然の美しさや温泉地としての魅力だけでなく、歴史的・文化的な側面にも影響を与えている重要な要素となっている。
箱根の歴史
<万巻上人と箱根神社>
箱根の歴史は、”富士登山の歴史と登山競走“でも述べている山岳信仰から始まる。芦ノ湖の湖畔にある箱根神社を開いた万巻上人(まんがんしょうにん)は、平安時代の僧であり、箱根山を修行の場として選び、神仏混淆(しんぶつこんこう)の思想に基づいて箱根権現を祀り、後に箱根神社の創建に深く関与した。
“神無月と神有月と日本の神“でも述べているように、日本の神は山や海そのものであり、箱根の山は神が宿る場所で、当時の神仏習合思想と相まって箱根権現という仏でもあり神でもある存在として、旅の安全を祈る神として信仰されるようになっていった。
<源頼朝と戦国時代の箱根>
次に歴史に大きく現れるのは、平安末期から鎌倉時代で、”街道をゆく – 三浦半島記”で述べているように、1180年に源頼朝が挙兵し、初戦で平氏に敗れ箱根権現に逃げ込み、その後勢力を復活させ最終的に平家を滅ぼし、鎌倉幕府を成立させたことから、二所詣として箱根神社と伊豆山神社への参拝を慣習化し、箱根湯本から箱根峠、三島まで続く湯坂道を整備し、修行僧以外の旅人も箱根を通れるようにした。
戦国時代には、箱根は戦略的な要所として認織されるようになり、武田信玄や織田信長、豊臣秀吉など、当時の名だたる武将たちが争った地域となっていった。そのような状況の中で、箱根を拠点としていた北条氏は強力な防衛網を築いて対抗し、更に現在の富士屋ホテルの近辺にある底倉温泉など、北条氏の湯治場になったり、豊臣秀吉の小田原攻めの野営地になったりと温泉の場としての箱根もポピュラーになっていった。
箱根の温泉はその湯質の多様性から、地下1階~地上4階のデパートにたとえられている。これは、高度の高い順に4階(芦之湯・芦ノ湖・仙石原)に当たるのが「酸性硫酸塩泉」、3階(強羅・宮城野)が「重炭酸塩硫酸塩泉」、2階(宮ノ下・小涌谷・大平台)が「塩化物泉」、1階と地階(箱根湯本・塔ノ沢・畑宿)が「塩化物重炭酸塩硫酸塩泉(混合型)」となっている。
<江戸時代の箱根>
江戸時代、交通の大動脈である東海道を進む場合、箱根山を越える必要があり、箱根には関所が設けられると共に、宿場町が整備され、旅人や商人が休憩する場所として発展していった。また、江戸から程よい距離にある箱根は、生活に余裕が出来、余暇を楽しむようになった江戸の町人達が自然景観を楽しんだり、温泉で湯治したりする場所となり、更に栄えていき、多くの浮世絵も描かれるようになった。
この時代に、土産物として作られた箱根細工の七福神の人形が、日本を訪れていたロシア人により持ち帰られ、マトリョーシカとなったとも言われている話は、歴史の謎として今も多くの人に興味を持たれている。
この伝説は”
<明治以降の箱根>
明治以降は、鉄道が国中に敷設させるようになり、箱根に関しては、当時のトンネル技術も低かったことから、国府津-御殿場-三島と箱根の山を迂回するルートが取られ、箱根は交通の要所から、観光・避暑地へと変わっていくことになる。
特に東京から箱根までは鉄道が開通して移動が容易になり、観光客が多く訪れるようになった。また、”街道をゆく – 横浜散歩と関内・横浜港の歴史“に述べているように外国人が多く居住することとなり、それらの外国人が訪れる避暑地として箱根は注目されるようになり、8月9月には横浜に外国人がいなくなり、箱根に集まるとまで言われるようになった。
このような流れは、日本の裕福層にも認織され、特に強羅地区や仙石原地区などにおいて、”街道をゆく 信州佐久平みち(長野)“で述べている軽井沢と並んだ国内有数の保養地帯となっていった。
宮下温泉にある富士屋ホテルは、「外国人を対象とした本格的なリゾートホテル」をめざして明治11年に300年以上続いていた藤屋旅館を買収・改装した和洋折衷の歴史あるホテルとなっている。
現在では、箱根にはハイアットリージェンシーなどの高級リゾートホテルが多く進出し、上質な生活を味わえる場所となっている。
参考図書
箱根についての参考図書としては、以下のようなものがある。
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