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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、2000年に始まり、3年に一度開催される世界最大級の国際芸術祭である。大地の芸術祭と称されている通り、新潟県十日町市と津南町にまたがる里山地域全体を舞台に、約760 km²という広大な自然をキャンバスに展開される世界最大級の現代アートの祭典となっている
この芸術祭の根底には、「人間は自然の一部である」という思想があり、舞台となるのは新潟県十日町市と津南町の広大な里山で、棚田やトンネル、廃校舎といった地域の風景や歴史をそのまま活かした野外インスタレーションが展開され、土地の記憶とアートが一体となるユニークな空間が創出されている。
また、本芸術祭の大きな特徴として、地元住民や農家と海外を含む多様なアーティストたちとの共同制作が挙げられ、こうした「グローカル(グローバル×ローカル)」な協働により、芸術は地域に根ざしながらも世界へと開かれた創造の場となり、訪れる人々に新たな視点と感動をもたらすものとなっている。
2025年の開催は「夏秋プログラム」として、7月19日から11月9日まで実施され、火曜・水曜は休館日となっており、共通鑑賞券の価格は、一般2,500円、小中学生1,000円、未就学児は無料で、チケットはオンラインで6月20日から販売されている。
新潟県十日町市
トリエンナーレの中心となる新潟県十日町市(とおかまちし)は、日本の中部地方・新潟県の南部に位置し、信濃川流域の豊かな自然と豪雪地帯としての特色を持つ地域となる。
十日町市は、火焔型土器の発祥地として知られており、笹山遺跡、三ヶ村遺跡など多くの縄文時代の遺跡がある。
ここは、縄文文化の重要拠点であり、自然との共生的な暮らしが営まれていた場所でもある。また、中世は越後国の一部として、上杉謙信や戦国大名の支配下にあり、江戸時代には越後縮(えちごちぢみ)の生産が盛んな場所でもあった。
越後縮(えちごちぢみ)は、国の重要無形文化財に指定されており、緯糸に強い撚りをかけた「縮糸」を使い、織り上がった布を湯もみして独特のシボ(しわ)を出すのが特徴で、このシボによって、肌にまとわりつかず、さらりとした清涼感のある着心地が生まれる織物で、北陸街道を通して全国に広まったものとなる。
ちなみに、水戸黄門が全国漫遊した時の仮の姿が「越後のちりめん問屋の隠居、光右衛門」で、これはシリーズ初期に、越後を旅している最中に出会ったこの商人が強欲かつ陰険と絵に描いたような悪徳商人であり、黄門様一行も彼に間違われて石を投げつけられるなど散々な目に遭うが、後に黄門様本人に説得され改心するという内容があり、それまでは単に「ただの旅の隠居」と名乗るだけであったが、この回以降、「越後の-」と名乗るようになったと言われている。
越後妻有アートトリエンナーレのスポット
- 越後妻有里山現代美術館 MonET:越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)は、新潟県十日町市にある「越後妻有大地の芸術祭」(3年に一度)の拠点施設で、建築家・原広司+アトリエ・ファイ設計の回廊型空間と、中庭の大きな水盤「Palimpsest: 空の池」を中心とした特徴的な構造を持つ。
常設展示は16点ほどで、淺井裕介、レアンドロ・エルリッヒ(代表作「Palimpsest」)、名和晃平、イリヤ&エミリア・カバコフなど国内外の作家を網羅している。
十日町駅から徒歩約10分。
- 清津峡トンネル・Tunnel of Light:清津峡渓谷トンネル、“Tunnel of Light”(光の洞窟)は、越後妻有大地の芸術祭2018でリノベされた全長750mのトンネルアート。壮大な自然とアートが融合した特別な体験が楽しめる場所となっている。
越後湯沢駅から南越後観光バス「森宮野原駅行き」→「清津峡入口」下車 → 徒歩30分(約3km)。
- まつだい農舞台フィールドミュージアム:越後妻有のまつだいエリアに位置する まつだい「農舞台」フィールドミュージアム は、「大地の芸術祭」の中核を担う野外アートスポット。オランダの建築ユニット MVRDVによる里山に浮かぶような白い建物が中心で、館内にはギャラリースペースや 越後まつだい里山食堂、ミュージアムショップも併設され、約2kmにわたる野外アートの散策路が展開されている。
ほくほく線「まつだい駅」直結。
- 鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館: 「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」は、旧真田小学校を舞台にした「空間絵本美術館」。田島征三が描いた絵本『学校はカラッポにならない』の世界が、校舎いっぱいに鮮やかに広がる体験型アート施設となっている。
MonETまたは十日町駅から車で約25分。
- 光の館(House of Light): 光の館(House of Light) は、アメリカの光の巨匠ジェームズ・タレルが手掛けた宿泊型インスタレーション作品。2000年の第1回「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で制作され、以来、常設アートとして体験可能なものとなっている 。
十日町駅・農舞台から車で約20分。
アクセス&滞在
越後妻有アートトリエンナーレへは、上越新幹線で東京から越後湯沢駅まで約1時間20分、越後湯沢駅から十日町駅まで北越急行 ほくほく線で約30分で行くことができる。
広域会場のため、2~3日かけてゆったり観て回るのがおすすめされている。モデルコースとしては、初日に十日町・中里エリア、2日目に松代・松之山エリアを回る1泊2日のコースなどが提案されている。越後湯沢駅発着のオフィシャルバスツアーもあり、地元民宿、古民家宿泊施設、キャンプ場と多様な宿泊オプション有り。地域グルメ(里山ビュッフェ等)も楽しめる 。
越後妻有アートトリエンナーレは、”瀬戸内国際芸術祭“でも述べている海辺のアートと並び、里山アートが楽しめるスポットとなっている。
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