SW技術とIOTとsmart city

機械学習技術 確率的生成モデル 時系列データ解析技術 ストリームデータ制御技術 人工知能技術 IOT&センサー技術  セマンティックウェブ技術  デジタルトランスフォーメーション技術

現在のIOTサービスは特定のドメイン向けのサービスが大半で、サービスを受ける側のボリュームが初期投資のボリュームと比較して小さくビジネスとして成り立ちにくい。サービスを受ける側のボリュームを大きくするためには、個別のニーズにあったフレキシブルなサービスを構築できるプラットフォームが必要になる。

Semantic Web(SW)技術は、Web全体を一つの巨大な情報DBと見なし、其処に存在する膨大な情報をソフトウェアの自動処理により効率的に処理する為の技術であり、それらを用いてウェブサービスをモジュール化して個別のニーズにあったサービスを自動的に構築する技術がSWサービス技術となる。

このSW技術の対象をIOTの情報まで広げることで様々な情報源を元にしたフレキシブルなサービスが構築出来、前述のIOTのビジネス化への障壁の一つを崩せる可能性がある。SWのIOT技術への拡張には意味的解釈を付与したデータストリーム技術が開発されている。

IOTとSW技術の融合の具体例がSmart city projectとなる。先日着工されたトヨタの「Woven City」(ウーブンシティ)もその一つであろう。smart city projectの先駆者はアイルランドのダブリンでのプロジェクトだ。欧州はSW技術の発祥の地でありLOD等様々なSWのプロジェクトが実施されており、ダブリンのsmart cityプロジェクトもその一つとなる。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)やIBMやsoftbank等の企業やCNRSやINRIA等の公共研究機関も参画しており、世界でもトップクラスのものとなっている。

SW技術のsmart cityへの応用としては世界的にも権威のあるAI学会であるIJCAI で2016に発表された Tutorial「AI for Smarter Cities. Hype or reality?」にて、市内の交通の状況をdiagnosis reasoningするアプリケーションが報告されている。これは、情報源として、twitter等のsocial mediaの情報と公共機関が管理している道路情報、バス会社から提供されたバス運行情報等の様々なデータフォーマットの情報を集めてSW技術を使ってデータネットワークとし、Markov Logic Network等の述語論理と機械学習の組み合わせで模倣した手法を用いて推論(報告の中ではsubsumption-based reasoningと表現している)することで前述のサービスを実現している。

もう少し規模を小さくして街ではなく建物を対象としたものとしてsmart building projectがある。これも国内外様々な場所で実施されているが、有名なものだとADREAMのプロジェクトになるだろうか。このプロジェクトではビルの中に6500以上のセンサーを配置しそれらをSW技術で繋げて、さらにオントロジーと呼ばれる知識データを構築することでautonomic control(主に省エネ)を実現するというものになっている。

このプロジェクトの発展系としてはロボットを加えたhuman support agent systemが考えられている。そのようなロボットとの組み合わせもSW技術とIOTの組み合わせの出口の一つであろう。ロボットと人間の融合の研究で有名なものだとアーヘン工科大学のサイバネティック・クラスターでのプロジェクトになるだろうか。ここでは様々なAI技術とロボット技術を組み合わせて、人と機械が共存する世界を作ろうとしている。

またSW技術の一つであるオントロジー技術の中には、企業内の情報の利用の効率化や、故障解析やリスク管理技術等のナレッジ活用のドメインでの様々な応用があり、それらを組み合わせることで上記の技術は更に大幅な効果を期待することができる。

これらに適用される機械学習技術としては、離散データの最適化である劣モジュラ最適化や、スパースモデリングを使った圧縮センシング、また各種推論技術等がある。

コメント

  1. […] これら因果関係を扱うモデルとしては前述のベイズ推定で述べた条件付き確率を元にしたグラフィカルモデルやベイジアンモデルあるいは前回のSWとIOTで述べたマルコフロジックネットワークと呼ばれる原因と結果の関係をノードとエッジの繋がりで表すモデルを使うことができる。 […]

  2. […] 本論文では、building smartやIndustry Foundation Classes (IFC)について述べられている。buildingSMARTは、建物を構成する全てのオブジェクト(例えばドア、窓、壁などのような要素)のシステム的な表現方法の仕様を定義するもので、Industry Foundation Classes (IFC)はその仕様をまとめたものとなる。smart cityが都市全体を相手してユーザー目線でのアプリケーションであるのに対して、スマートビルディングはBIM等の建築データの共有やbuilding smartでの建築材料の共有で建築側目線のアプリケーションとなる。 […]

  3. […] Semantic Web技術とIOTとsmart city マルコフロジックネットワーク […]

  4. […] 具体的なタスクとしては、2005年頃のガリストンやクラウゼによるセンサ配置問題への適用をきっかけとして、画像の背景情報の平滑性を利用したグラフカットや、変数間の構造的な関係を劣モジュラ関数として用いた構造正則化等の汎用的な機械学習等大規模な問題への適用も検討されている。 […]

  5. […] それらの技術に加えて近年の最新IT技術であるセマンティックウェブ技術やIOT技術、ストリーミング推論技術を用いたスマートファクトリー技術を適用することで運用の効率化と更なる安全性の追求ができるものと考えられる。 […]

  6. […] このような時間軸上でのデータを扱う事で様々なDXや人工知能のアプリケーションを扱うことができる。またそれらの処理を行う機械学習技術としては時系列データ解析技術として各種のものがある。また、システムアーキテクチャとしてもIOT技術やデータベース、検索技術様々なアプローチがある。 […]

  7. […] Semantic Web技術とIOTとsmart city マルコフロジックネットワークの活用 […]

  8. […] さらに、これら因果関係を扱うモデルとしては前述のベイズ推定で述べた条件付き確率を元にしたグラフィカルモデルやベイジアンモデルあるいは前回のSWとIOTで述べたマルコフロジックネットワークと呼ばれる原因と結果の関係をノードとエッジの繋がりで表すモデルを使うことができる。 […]

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