Ontology Construction 抽出された知識を企業固有の概念モデルへ統合する

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Knowledge Flow実践ガイド — 企業知識をAIが利用できる知識基盤へ変換する

Knowledge Flow実践ガイド — 企業知識をAIが利用できる知識基盤へ変換する

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Knowledge Extractionによって、企業文書からエンティティ、関係、制約、イベント、意図などの知識が抽出されました。

しかし、この段階では知識はまだバラバラな断片です。

同じ概念が異なる名前で表現されていたり、部署ごとに異なる用語が使われていたり、同じ言葉が異なる意味で利用されていたりします。

Knowledge FlowのOntology Constructionでは、これらの知識を統合し、

企業全体で共通に利用できる概念モデル(Ontology)

へ変換します。

Ontologyは単なる辞書ではありません。

企業が「何を知っているのか」と「それらがどのような関係にあるのか」を表現する知識モデルです。

なぜオントロジーが必要なのか

企業では、

営業部門は

Customer

と呼び、

経理部門では

Client

サポート部門では

Account Holder

と呼んでいることがあります。

人間なら同じ意味だと理解できます。

しかしAIは、

Customer

Client

を別物として扱ってしまいます。

Knowledge Flowでは、

まず概念を統合します。

Customer

Client

Account Holder

        │

        ▼

Customer

この処理をConcept Resolutionと呼びます。

Concept Resolution

Knowledge Flowでは、

複数の情報を利用して同一概念を判定します。

例えば、

  • 名前の類似度
  • Embedding類似度
  • 定義文
  • 利用される文脈
  • Knowledge Graph上の近傍
  • 人間レビュー

などです。

例えば、

Customer

顧客

取引先

Customer Account

という概念があった場合、

Embeddingだけではなく、

利用文脈まで比較します。

これにより、

単純な文字列一致では判断できない概念も統合できます。

Concept Canonicalization

統合された概念には、

正式名称(Canonical Name)を設定します。

例えば、

{
  "id":"C001",
  "canonical_name":"Customer",
  "aliases":[
      "Client",
      "Account Holder",
      "顧客",
      "取引先"
  ]
}

このCanonical Nameが、

企業全体の共通語彙になります。

Knowledge Flowでは、

すべてのDSL、

Knowledge Graph、

Decision Trace

がこのCanonical Nameを利用します。

概念階層の構築

オントロジーでは、

概念の親子関係も構築します。

例えば、

Customer

├── Premium

├── Gold

└── Silver

あるいは、

Product

├── Hardware

├── Software

└── Service

というように、

is-a(継承)関係

を生成します。

これにより、

AIは

Gold Customer

↓

Customer

であることを理解できます。

属性の統合

Knowledge Flowでは、

概念ごとに属性も抽出します。

例えば、

Customer

なら、

{
  "attributes":[
      "CustomerID",
      "Company",
      "Industry",
      "Country",
      "Status"
  ]
}

を保持します。

これにより、

DSL生成やGraph検索が容易になります。

Relationshipの統合

Knowledge Extractionで抽出されたRelationも統合します。

例えば、

Customer

↓

Purchase

↓

Product

あるいは、

Product

↓

Manufactured At

↓

Factory

さらに、

Factory

↓

Performs

↓

Inspection

という関係を追加すると、

企業知識全体が一つのネットワークになります。

Knowledge Flowでは、

これらを

Ontology

↓

Knowledge Graph

へ変換します。

制約との統合

Conceptだけでは、

意思決定はできません。

例えば、

Customer.Status == Gold

なら

Discount = 10%

というルールがあります。

このConstraintもOntologyへ紐付けます。

例えば、

{
  "concept":"Customer",
  "constraints":[
      "Status == Gold"
  ]
}

になります。

これにより、

DSL生成時に

Constraintが利用できます。

イベントとの統合

Conceptには、

イベントも紐付きます。

例えば、

Inspection

↓

Notify

↓

Quality Assurance

は、

InspectionというConceptのイベントになります。

Ontologyでは、

{
  "concept":"Inspection",
  "events":[
      "Notify QA"
  ]
}

のように保持します。

これによって、

WorkflowやAgent実行へ接続できます。

オントロジーの継続的な進化

企業知識は毎日変化します。

新しいマニュアルが追加されれば、

新しい概念も追加されます。

例えば、

AI Agent

という概念が現れた場合、

Knowledge Flowは

AI Agent

↓

Software

↓

Digital Worker

のような位置付けを推定します。

既存Ontologyとの整合性も評価します。

つまり、

Ontologyは一度作って終わりではありません。

Knowledge Flowでは、

継続的に進化します。

人間によるレビュー

もちろん、

LLMは誤った概念統合を行うことがあります。

例えば、

Customer

Supplier

を同じ概念と判断してしまう可能性もあります。

そのため、

Knowledge Flowでは、

Ontology Candidate

Human Review

Approve

Ontology Repository

というレビュープロセスを設けます。

レビュー対象は、

  • 新しい概念
  • 新しい親子関係
  • 同義語の統合
  • 属性の追加
  • Relationshipの追加

だけです。

既存Ontology全体を見直す必要はありません。

Ontology Repository

最終的なOntologyは、

専用リポジトリへ保存されます。

例えば、

{
  "concept":"Customer",
  "aliases":[
      "Client",
      "Account Holder"
  ],
  "parent":"Business Partner",
  "children":[
      "Premium",
      "Gold",
      "Silver"
  ],
  "attributes":[
      "CustomerID",
      "Status"
  ],
  "relations":[
      "Purchase",
      "Invoice"
  ]
}

このRepositoryは、

Knowledge Graph、

DSL Generator、

Decision Trace Model、

Runtime OS

から共通利用されます。

Ontologyは企業知識の共通言語

Knowledge FlowにおけるOntology Constructionは、単に概念を一覧化する作業ではありません。

企業内に散在する異なる用語や表現を統合し、共通の意味体系を構築するプロセスです。

Concept Resolutionによって同義語を統合し、Canonical Nameを定義し、階層構造や属性、関係、制約、イベントを組み合わせることで、企業固有の知識モデルが形成されます。

このOntologyは、Knowledge Graphの骨格となり、DSL Generatorの入力となり、Decision Trace Modelの意味解釈を支え、Runtime OSが意思決定を行うための基盤となります。

つまりOntologyは、Knowledge Flow全体を支える「企業知識の共通言語」です。

LLMが企業を理解するためには、単に文書を読むだけでは十分ではありません。

企業固有の概念体系を理解し、その意味を一貫して扱えるようにすることが重要です。

Ontology Constructionは、そのための中核となるプロセスなのです。

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