AIはなぜ現場で止まるのか
POCは成功する。
しかし、AIは現場で止まる。
現場で起きていること
POCは成功する
精度も出る
デモも動く
しかし、
本番で使われない
いつの間にか止まる
誰も責任を持たない
よくある失敗パターン
1. AIは予測するだけ
- 予測は出る
- でも「どうするか」がない
Signal (AIの予測結果) 止まり
2. 判断がブラックボックス
- なぜその結果なのか分からない
なぜその判断なのか説明できない
責任が持てない
だから現場は使わない
3. 責任の所在がない
- AIが言った
- 人が判断した
責任が曖昧
4. システムに組み込めない
- 業務フローと繋がらない
意思決定として定義されていないため、
実行に落とせない
だから使われない
本質
AIの問題ではない
判断の構造が存在していない
意思決定は本来、次の流れで行われる
Event → Signal → Decision → Boundary → Human → Log
Event(出来事)
→ Signal(予測)
→ Decision(判断)
→ Boundary(制約)
→ Human(人)
→ Log(記録)
※簡単にいうと:
Event:何が起きたか(例:ユーザーが商品を見た)
Signal:AIが出した予測(例:購入確率 70%)
Decision:どうするか(例:割引を出すか)
である。

AIはDecisionが存在しないため止まる。
結論
AIは予測エンジンではない
意思決定システムであるべきである。
さらに理解する
AIが止まる理由をさらに深掘りする
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