情報検索のためのユーザインタフェース

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情報検索のためのユーザインタフェース

情報検索のためのユーザーインターフェースは、ユーザーが必要な情報を効果的に見つけるための手段を提供する役割を果たし、以下に示すような一般的な考え方と要素がある。

  • 検索ボックス: ユーザーがキーワードやフレーズを入力するためのテキストボックスとなる。検索ボックスは明瞭でわかりやすく配置され、ユーザーが簡単に入力できるようにする必要がある。
  • 検索結果表示: 検索結果は、関連する情報をリストやグリッド形式で表示する。情報はタイトル、要約、およびリンクなどの形式で提供されることが一般的であり、結果の表示は、ユーザーが情報をスキャンしやすくするために整理され、適切な並べ替えやフィルタリングの機能を備えていると便利である。
  • ナビゲーションメニュー: 情報検索システムが複数のカテゴリやトピックを持つ場合、ナビゲーションメニューを提供することがある。これにより、ユーザーは特定のカテゴリに関連する情報に簡単にアクセスできるようになる。
  • 検索オプション: ユーザーが検索結果を絞り込むためのオプションを提供することが重要となる。これには、フィルタリング、ソート、タイムラインの設定などが含まれ、ユーザーは検索結果をカスタマイズして自分のニーズに合わせることができる。
  • フィードバック機能: ユーザーが検索結果に満足しているかどうかをフィードバックする機能を提供することも重要となる。ユーザーが特定の結果をクリックしたり、評価したりできるようにすることで、システムはユーザーのニーズをより正確に把握し、将来の検索結果の改善に役立てることができる。
  • オートコンプリート/サジェスト: 入力中に自動的に提案を表示することで、ユーザーが効率的に検索クエリを作成できるようになる。オートコンプリートは、よく検索されるキーワードやフレーズ、および関連するトピックをユーザーに提示する。
検索ユーザインタフェースの評価方法について

検索ユーザーインターフェースの評価方法は、ユーザビリティや効果性を測定し、改善するための手段として役立つ。以下に一般的な評価方法について述べる。

  • ユーザビリティテスト: ユーザビリティテストは、実際のユーザーを対象に、システムの使用性や使いやすさを評価する方法となる。テスト参加者に特定のタスクを実行してもらい、タスクの完了時間やエラーの数などを記録・分析する。ユーザビリティテストは、問題点や改善点を特定し、ユーザビリティを向上させるための具体的なアクションを見つけるのに役立つ。
  • アンケート調査: ユーザーにアンケートを提供して、検索インターフェースの使用に関する意見や満足度を収集する方法となる。アンケートは、使いやすさ、情報の質、検索結果の適切さなどの要素についてのフィードバックを得るのに役立つ。オープンテキスト形式の質問や評価尺度を使用して、より具体的な情報を収集することもできる。
  • アイ・トラッキング: アイ・トラッキング技術は、ユーザーが画面上でどのように視線を移動させるかを記録するために使用される。これにより、ユーザーがどの要素に焦点を当てているか、視覚的な優先順位や注意の分布を分析することができる。アイ・トラッキングは、デザインの改善や注意の引き方に関する洞察を提供する。
  • ログ分析: サーバーログやユーザーアクティビティログを分析することにより、ユーザーがどのように検索インターフェースを使用しているかを理解することができる。ログ分析は、ユーザーの検索クエリの傾向やパターン、クリック率、滞在時間などのデータを把握し、検索エクスペリエンスの改善に役立つ。
  • コンテキストに基づくフィードバック: ユーザーが提供するフィードバックや行動データを活用し、システムがコンテキストに適応する方法を探ることも重要となる。個々のユーザーの好みや過去の行動に基づいて、個別化された検索結果や推奨を提供することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが期待される。
情報探索プロセスのモデルについて

情報探索プロセスのモデルは、ユーザーが情報を探し出すための一連のステップや行動を説明するための枠組みとなる。以下に代表的な情報探索プロセスモデルの一つであるKuhlthauの情報探索モデルについて述べる。

  1. 問いの形成(Initiation): ユーザーは情報ニーズや問いを認識する。このステップでは、情報の欠落や不足を感じたり、特定の問題に対する解決策を探したりすることがある。
  2. 情報行動の開始(Selection): ユーザーは情報を探すための行動を開始する。これには、検索エンジンの使用、図書館の資料の閲覧、専門家への相談などが含まれる。情報収集のためのリソースや手段を選択する。
  3. 情報の位置づけ(Exploration): ユーザーは検索結果を探索し、関連する情報を収集する。複数の情報源やデータベースを利用し、情報をブラウズしたり、詳細を読んだりし、情報の質や適切さを判断し、必要な情報を特定する。
  4. 情報の絞り込み(Formulation): ユーザーは収集した情報を評価し、特定の方向性やアプローチを選択する。情報の整理や絞り込みを行い、自身のニーズや目的に合った情報を特定する。
  5. 情報利用(Collection): ユーザーは絞り込んだ情報を利用して、問題解決や情報ニーズの満たしを行う。これには、情報の要約や整理、データの分析、報告書の作成などが含まれる。
  6. 意味付け(Presentation): ユーザーは収集した情報を必要に応じて整理し、結果を他者に伝えるためにプレゼンテーションや報告書を作成する。情報を適切に伝えるための形式や方法を選択する。

Kuhlthauの情報探索モデルは、情報探索が一連の感情的な状態や認知的なプロセスを経て進行することを強調している。情報ニーズや問いの形成から始まり、情報の収集、評価、利用、共有までを包括的に捉えており、このモデルは、ユーザーが情報探索中に直面する課題や感情的な変化を理解し、サポートするための指針となることがある。

情報検索におけるクエリ指定について

情報検索におけるクエリ指定は、ユーザーが必要な情報を正確に検索するために使用する検索クエリの作成方法であり、適切なクエリ指定を行うことで、検索結果の品質や関連性を向上させることができるものとなる。以下に、クエリ指定のポイントについて述べる。

  • キーワードの選択: クエリに使用するキーワードは、検索対象と関連性の高い単語やフレーズを選択する必要がある。具体的で具体的なキーワードを使用すると、より適切な結果が得られる可能性があり、また、同義語や類義語も考慮に入れることで、より広範囲な結果を網羅することができる。
  • 論理演算子の使用: AND、OR、NOTなどの論理演算子を使用することで、クエリの条件を明確に指定できる。ANDは、複数のキーワードを含む結果を取得し、ORは、いずれかのキーワードを含む結果を取得し、NOTは、指定したキーワードを除外する結果を取得する。これらの論理演算子を組み合わせることで、より高度なクエリ指定が可能となる。
  • フレーズの使用: 特定のフレーズをクエリに含めることで、複数の単語の組み合わせを正確に検索することができる。フレーズは二重引用符(”)で囲んで指定する。例えば、「人工知能」というフレーズを含む情報を検索する場合は、”人工知能”というクエリを使用する。
  • フィールドの指定: 検索対象の特定のフィールド(タイトル、著者、日付など)に限定して検索することもできる。フィールド指定は、キーワードの前にフィールド名をコロン(:)で続けることで行う。これは例えば、title:人工知能と指定することで、タイトルに「人工知能」というキーワードを含む情報を検索するようなものとなる。
  • 検索オプションの利用: 検索エンジンや情報検索システムには、フィルタリング、ソート、期間指定などの検索オプションが用意されている。これらのオプションを利用することで、検索結果を絞り込んだり、特定の条件に基づいてソートしたりすることができる。
情報検索における検索結果の表示について

情報検索における検索結果の表示は、ユーザーが情報を素早く理解しやすくするための重要な要素となる。以下に、一般的な検索結果の表示方法について述べる。

  • タイトル: 各検索結果のタイトルは、その情報の要約や内容を示す重要な要素となる。タイトルは、検索クエリと関連するキーワードを含むことが好まれ、タイトルはクリック可能なリンクとして表示され、ユーザーが詳細情報にアクセスできるようになっている。
  • ディスクリプション/要約: タイトルの下には、各検索結果の要約やディスクリプションが表示されることがある。これは、ユーザーに対してより詳細な情報を提供し、結果の関連性を判断するのに役立つ。要約は検索クエリと関連するキーワードを含み、ユーザーが情報の内容を理解できるようにしている。
  • URL: 各検索結果のURLは、情報源やウェブサイトの信頼性を示す重要な要素となる。ユーザーはURLを見て、情報の出所を判断したり、信頼性の高い情報源を選択したりすることができる。
  • 検索結果の形式: 検索結果は、テキスト、画像、ビデオ、ニュース記事などのさまざまな形式で表示されることがある。結果の種類によって、表示形式やレイアウトが異なる場合があり、例えば、画像検索では、サムネイル画像が表示され、クリックすると拡大画像が表示される。
  • 追加情報: 検索結果には、追加の情報やメタデータが表示されることもある。これには、投稿日時、評価、評価数、関連するリンクなどが含まれ、これらの情報は、ユーザーが結果を選択する際に参考にすることができる。
  • ページネーション: 多くの検索結果がある場合、ページネーションが提供されることがある。これにより、ユーザーは結果を複数のページにわたってナビゲートできる。

検索結果の表示は、ユーザーが必要な情報を素早く特定しやすくするために最適化されるべきであり、情報の要約、関連性の高いキーワードの表示、信頼性の確保、追加情報の提供などが重要な要素となる。また、検索エンジンや情報検索システムは、ユーザーフィードバックを収集して、検索結果の改善に活用することも重要となる。

情報検索におけるクエリ修正について

情報検索におけるクエリ修正は、ユーザーが初回の検索クエリでは望ましい結果を得られなかった場合に、検索クエリを改良して再度検索を行うプロセスとなる。クエリ修正は、より適切な情報を見つけるために重要なステップであり、以下に、クエリ修正の方法や手法について述べる。

  • 同義語や関連キーワードの追加: 初回のクエリでは情報が不足していた場合、同義語や関連キーワードを追加することで検索の範囲を広げることができる。これにより、関連性の高い情報が見つかる可能性が高まる。
  • 不要なキーワードの除外: 初回のクエリが広範囲な結果を返してしまった場合、不要なキーワードを除外することで検索の精度を向上させることができる。これは例えば、特定のブランドや地域に関係しない情報を除外するなどの方法が考えられる。
  • 論理演算子の変更: 初回のクエリで使用した論理演算子(AND、OR、NOT)を変更することで、検索結果の絞り込みや拡大が可能となる。異なる論理演算子を使用することで、情報の関連性や包括性を変えることができる。
  • 検索オプションの利用: 検索エンジンや情報検索システムは、検索オプションを提供している。これらのオプションを利用して、検索結果を特定の条件に基づいて絞り込むことができ、例えば、特定の期間やフォーマット、言語などで検索することができるようになる。
  • フィードバックの活用: 初回の検索結果が望ましくなかった場合、ユーザーはフィードバック機能を利用してフィードバックを提供することができる。これにより、検索エンジンや情報検索システムはユーザーのニーズや好みを把握し、検索結果の改善に役立てることが可能となる。

クエリ修正は、初回の検索結果が十分に満足できなかった場合に、情報検索プロセスを改善するための手段として重要であり、ユーザーは柔軟性を持ってクエリを修正し、より適切な情報を見つけるために試行錯誤することが重要となる。

情報検索における検索プロセスの支援について

情報検索のプロセスを支援するために、さまざまな手法やツールが利用されている。以下にそれらの中から代表的なものについて述べる。

  • オートコンプリート/サジェスト機能: 検索ボックスに入力中のキーワードに基づいて、自動的に関連するキーワードやフレーズを提案する機能となる。オートコンプリート機能は、ユーザーがより具体的なクエリを作成するのを支援し、効率的な検索プロセスを促す。
  • クエリ拡張: クエリ拡張は、ユーザーのクエリを解釈して関連するキーワードを追加する手法となる。これは、自然言語処理や機械学習の技術を使用して、クエリの意図やコンテキストを理解し、関連するキーワードを提案する。
  • フィルタリングとソートオプション: 検索結果のフィルタリングやソートオプションを提供することで、ユーザーは結果を絞り込んだり、適切な順序で表示したりすることができる。フィルタリングオプションの例として、言語、日付、フォーマットなどで結果を制限するようなものがある。
  • 相関検索/関連記事: 相関検索や関連記事の表示は、ユーザーの検索クエリと関連する情報や類似の記事を提案する。これにより、ユーザーは興味深い情報や関連情報を見つけることが可能となる。
  • クラウドソーシング: クラウドソーシングプラットフォームを活用して、ユーザーが検索結果を評価し、適切さや関連性にフィードバックを提供することができる。これにより、検索エンジンや情報検索システムは、ユーザーの意見を反映して結果を改善することが可能となる。
  • パーソナライズド検索: ユーザーの過去の検索履歴や行動データを活用して、パーソナライズされた検索結果を提供する方法となる。これは、ユーザーにとって関連性の高い情報を優先的に表示し、個別のニーズに合わせた情報アクセスを支援するものとなる。
情報検索におけるナビゲーションと検索の統合

情報検索におけるナビゲーションと検索の統合は、ユーザーが情報を探し出す際のユーザーエクスペリエンスを向上させるための重要な要素となる。以下に、ナビゲーションと検索の統合に関するいくつかのアプローチについて述べる。

  • 統合型の検索ボックス: 情報検索システムにおいて、ナビゲーションメニューと検索ボックスを一体化させることで、ユーザーは同じインターフェース内で情報を探しやすくなる。これにより、ユーザーはキーワードを入力するだけでなく、ナビゲーションメニューからの選択やドロップダウンリストの活用など、複数の方法で情報にアクセスできる。
  • ファセットナビゲーション: 検索結果の側面に表示されるファセットナビゲーションは、ユーザーに検索結果を絞り込むためのフィルタリングオプションを提供する。これを用いることで、ユーザーは結果を特定のカテゴリや属性で絞り込むことができ、ナビゲーションと検索を組み合わせてより具体的な情報を見つけることができる。
  • 自動補完と関連情報の提示: 自動補完機能を活用して、ユーザーが入力中のクエリに関連するキーワードやフレーズの提案を行うことで、ナビゲーションと検索を補完する。また、関連情報や関連記事の表示によって、ユーザーに関心のある他の情報にアクセスする手助けを行う。
  • 推奨とパーソナライズ: ユーザーの過去の検索履歴や行動データを活用して、パーソナライズされた推奨を提供することで、ユーザーの興味やニーズに基づいた情報へのナビゲーションをサポートする。これにより、ユーザーはより関連性の高い情報に素早くアクセスすることができる。

ナビゲーションと検索の統合は、ユーザーが必要な情報を見つけるための効果的な手段となり、統合されたナビゲーションと検索は、情報の発見性とアクセス性を向上させ、ユーザーがスムーズに情報を探し出せるよう支援する。

情報検索における情報の個人化について

情報検索における情報の個人化は、ユーザーが自身の好みや関心に合わせた情報を受け取るための手法となる。以下に、情報の個人化に関する考え方と具体的な手法について述べる。

  • パーソナライズされた検索結果: パーソナライズされた検索結果では、ユーザーの過去の検索履歴や行動データを活用して、ユーザーの興味やニーズに合わせた結果を提供する。検索エンジンや情報検索システムは、ユーザーのプロファイルや好みを理解し、関連性の高い情報を優先的に表示することがある。
  • 関連記事やおすすめ情報の表示: ユーザーが特定の記事や情報にアクセスする際に、関連する記事やおすすめ情報を表示することで、ユーザーの関心に合わせた情報を提供する。これにより、ユーザーは興味深い情報により簡単にアクセスすることが可能となる。
  • クエリ拡張と同義語の利用: ユーザーの検索クエリを解釈して、関連するキーワードや同義語を追加することで、ユーザーの検索を補完する。これにより、ユーザーが関連性の高い情報を見つけることが可能となる。
  • フィードバックと評価の収集: ユーザーからのフィードバックや評価を収集し、それに基づいて情報の個人化を行うことがある。これにより、ユーザーの好みや関心に基づいて情報をカスタマイズするためのデータを収集し、それに基づいて推奨やフィルタリングを行う。
  • カスタム設定とフィルタリングオプション: ユーザーにカスタム設定やフィルタリングオプションを提供することで、ユーザーは自身の好みやニーズに合わせた情報を検索結果から絞り込むことができる。これは例えば、特定のカテゴリや言語、地域などの条件で結果をフィルタリングするようなものとなる。

情報の個人化は、ユーザーがより関連性の高い情報を見つけやすくし、情報検索の効率性と満足度を向上させるための手法となる。個人化によって、ユーザーは自身のニーズに合った情報を簡単に見つけることが可能となる。

検索インタフェースのための情報視覚化について

検索インタフェースのための情報視覚化は、ユーザーが情報を理解しやすくするために視覚的な手法やツールを使用するものであり、情報視覚化は、複雑なデータや情報をグラフや図表、ダッシュボードなどの視覚的な表示に変換することで、ユーザーが情報を素早く把握しやすくするものとなる。以下に、検索インタフェースのための情報視覚化に関するいくつかの手法について述べる。

  • タグクラウド: タグクラウドは、キーワードやタグを視覚的に表示する方法となる。より頻繁に使用されるキーワードやタグは、大きな文字で表示され、関連性や重要度を示すことができ、ユーザーは、タグクラウドを使って興味のあるキーワードやトピックを素早く特定することが可能となる。
  • チャートやグラフ: チャートやグラフは、データや統計情報を視覚的に表示するための効果的な手法となる。棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなどのグラフを使用することで、データのパターンや関係性を一目で理解することができ、例えば、検索結果のカテゴリごとの分布を棒グラフで表示することで、ユーザーは結果の概要を把握しやすくなる。
  • ダッシュボード: ダッシュボードは、複数の情報や指標を一つの画面にまとめて表示するツールとなる。検索結果の要約、関連記事、トピックの分布などをダッシュボード形式で表示することで、ユーザーは情報の全体像を把握しやすくなる。
  • マップや地図: 情報を地図上に表示することで、地理的な関係や位置情報を視覚的に理解することができ、例えば、検索結果の場所や地域の分布を地図上にマーキングして表示することで、ユーザーは地理的な情報にアクセスしやすくなる。
  • ネットワーク図: ネットワーク図は、複数の要素や関係性をノードやリンクで表現する方法となる。関連するトピックやキーワード、ウェブページなどをネットワーク図として表示することで、ユーザーは情報の関連性やつながりを理解しやすくなる。

情報視覚化は、ユーザーが情報を理解しやすくするための有効な手法であり、視覚的な表示やグラフィックスを活用することで、ユーザーは情報を素早く把握し、重要な洞察を得ることが可能となる。検索インタフェースに情報視覚化を組み込むことで、ユーザーエクスペリエンスの向上や情報の探索性の向上が期待できる。

参考図書「情報検索のためのユーザインタフェース」について

<概要>

本書は利用者がGoogle, Yahoo!などのWeb検索エンジンや情報検索システムを使用する際に,必要な情報をストレスなく適切に取得するためのユーザインタフェース技術を体系的に論じた Search User Interfaces(Cambridge University Press, 2009)を翻訳したものである。著者のMarti A. Hearst氏はカリフォルニア大学バークレー校情報スクール(School of Information)の教授であり,ユーザインタフェース分野において顕著な業績を有している。Hearst教授はコンピュータの基礎技術を数多く発明したことで有名な米国シリコンバレーのXerox PARC (Palo Alto Research Center)における研究経験もあり,Webが今日のように一般ユーザに身近になる過程で,遂げてきた発展について,実例を用いて体系的に整理している。これまで,情報検索技術とユーザインタフェース技術を総合的に論じた書籍は存在せず,その意味でも原著はWeb情報検索時代の画期的な名著と言えるだろう。

情報検索のためのユーザインタフェース Marti A.Hearst 著・角谷 和俊・田中 克己監訳より。

<内容>

第1章 検索ユーザインタフェースのデザイン

1.1 インタフェースをシンプルに保つこと
1.2 検索インタフェースデザインの歴史的変遷
1.3 検索インタフェースデザインのプロセス
1.4 検索インタフェースのデザインガイドライン
1.5 効率的で有益なフィードバックの提供
1.6 自動的なアクションとユーザ自身によるコントロールのバランス
1.7 短期記憶に対する負荷の減少
1.8 ショートカットの提供
1.9 エラーを減らす
1.10 細部の重要性を理解する
1.11 デザインにおける重要な美学
1.12 まとめ

第2章 検索ユーザインタフェースの評価

2.1 情報検索における標準的な評価手法
2.2 インフォーマル・ユーザビリティテスト
2.3 フォーマル・スタディと統制実験
2.4 縦断調査
2.5 検索エンジンのサーバログを分析する
2.6 大規模ログにもとづくユーザビリティテスト(バケットテスト)
2.7 検索インタフェースの評価で特に注意すべきこと
2.8 まとめ

第3章 情報探索プロセスのモデル

3.1 情報探求の標準モデル
3.2 情報探索の認知モデル
3.3 ダイナミックモデル(ベリー採集モデル)
3.4 ステージごとの情報探求
3.5 戦略的プロセスとしての情報探索
3.6 意味形成:より大きなプロセスの一部としての検索
3.7 情報要求とクエリ意図
3.8 まとめ

第4章 クエリ指定

4.1 テキストによるクエリ指定
4.2 入力フォームインタフェースを経由したクエリ指定
4.3 クエリ指定中の動的な質問語の推薦
4.4 ブール演算子およびその他の演算子を使ったクエリ指定
4.5 コマンド言語を使ったクエリ指定
4.6 まとめ

第5章 検索結果の提示

5.1 文書サロゲート
5.2 KWIC またはクエリ指向型要約文
5.3 クエリ語の強調
5.4 検索結果リストが備えるその他の特徴
5.5 検索結果の順序付けの効果
5.6 検索結果の可視化
5.7 まとめ

第6章 クエリ修正

6.1 クエリ修正の必要性
6.2 スペル推薦とスペル修正
6.3 自動的な語の提案
6.4 人気のある到達先の提案
6.5 適合性フィードバック
6.6 関係する文書の提示(More Like This)
6.7 まとめ

第7章 検索プロセスの支援

7.1 検索の出発点
7.2 Web 検索の出発点
7.3 オンライン蔵書目録に対する検索の出発点
7.4 検索の出発点としてのインタラクティブダイアログ
7.5 検索履歴の支援
7.6 検索プロセス全体の支援
7.7 意味形成と検索の統合
7.8 まとめ

第8章 ナビゲーションと検索の統合

8.1 ナビゲーションと絞り込みのためのカテゴリ
8.2 検索結果のグループ化のためのカテゴリ
8.3 検索結果のソートとフィルタリングのためのカテゴリ
8.4 ビューを介した検索結果の編成
8.5 Web コンテンツの階層的ナビゲーションの減少
8.6 ファセットナビゲーション
8.7 ソーシャルタグとソーシャルブックマークを介したナビゲーション
8.8 検索インタフェースにおけるクラスタリング
8.9 検索インタフェースにおけるクラスタリングvs. カテゴリ
8.10 まとめ

第9章 検索における情報の個人化

9.1 明示的な選好による個人化
9.2 暗黙的な選好による個人化
9.3 暗黙的な情報と明示的な情報の組合せ
9.4 個人情報を利用した検索
9.5 まとめ

第10章 検索インタフェースのための情報視覚化

10.1 情報視覚化の法則
10.2 対話的な視覚化のための技術
10.3 情報視覚化におけるデータタイプの効果
10.4 名目データの視覚化の困難性
10.5 クエリ指定の視覚化
10.6 長い文書におけるクエリ語の視覚化
10.7 検索結果におけるクエリの視覚化
10.8 ファセットナビゲーションの視覚化
10.9 クラスタとスターフィールドによる検索結果の視覚化
10.10 検索における3 次元視覚化
10.11 まとめ

第11章 テキスト分析のための情報の視覚化

11.1 テキストマイニングのための視覚化
11.2 文書コンコーダンスと語の出現頻度の視覚化
11.3 文書と引用関係の視覚化
11.4 まとめ

第12章 検索インタフェースの新たなトレンド

12.1 モバイル検索インタフェース
12.2 マルチメディア検索インタフェース
12.3 ソーシャルサーチ
12.4 コマンドベースの検索と自然言語検索のハイブリッド
12.5 まとめ

 

コメント

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