Prophetを用いた時系列分析について

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Prophetの概要

Prophetは、Facebookが開発した時系列予測ツールであり、時間の流れや周期性、祝日などの影響を考慮して、未来の時系列データを予測することができるものとなる。

Prophetは、Pythonで実装されたオープンソースのツールで、線形モデルに非線形項を加え、トレンド成分、季節性成分、祝日成分を分解して予測を行うシンプルなAPIを提供している。Prophetの特徴は、データの欠損値や異常値をうまく扱うことができ、また、予測結果に対する信頼区間も計算できるところにある。そのため、ビジネスや金融、気象学、医療など、様々な分野で利用されている。

以下にProphetで用いられている主要なアルゴリズムについて詳しく述べる。Prophetには主に3つの主要なアルゴリズムが用いられている。

  • まずトレンド成分の推定には、加法モデルが使われており、加法モデルは、時系列データがトレンド成分、季節性成分、誤差成分の和で表されるという仮定に基づいている。Prophetでは、ロバスト回帰を用いてトレンド成分を推定する。
  • 季節性成分の推定には、フーリエ解析が使われている。フーリエ解析は、周期的な現象を複数の正弦波で表現する手法であり、季節性成分を推定することができる。
  • 祝日成分の推定には、集計された祝日情報を用いたモデルが使われている。祝日は、季節性成分と同様に時系列データに影響を与えるため、Prophetでは祝日をモデル化することで、より正確な予測が可能となる。

Prophetは、これらのアルゴリズムを組み合わせることで、時系列データの予測を行う。これらの加法モデルによるトレンド成分の推定、フーリエ解析による季節性成分の推定、祝日成分のモデル化を用いることによって、Prophetは高い精度で時系列データを予測することができる。

次にProphetの適用事例を示す。

  • ビジネス分野:Prophetは、売上や需要の予測に利用されている。これは例えば、小売業で、Prophetを用いて特定の商品や店舗の売上を予測することで、在庫管理や生産計画を最適化するような使い方ができる。
  • ファイナンス分野:Prophetは、株価や為替レートなどの予測にも利用されている。Prophetを使って時系列データに対する信頼区間を計算することで、リスク管理にも用いることができる。
  • 気象学分野:Prophetは、気象予測にも利用されている。Prophetを用いることで、気象現象のトレンドや周期性を考慮した予測が可能となり、天候に関する情報を正確に把握することができるようになる。
  • 医療分野:Prophetは、医療データの予測にも利用されている。これは例えば、患者の入院期間や医療費の予測に利用され、医療機関のリソース配分や予算編成を最適化することができまるようになる。
Prophetに用いられているアルゴズムについて

以下に、Prophetで用いられている主要なアルゴリズムについて述べる。

  • トレンドモデル: Prophetは、時系列データのトレンドをモデル化するためにロジスティック成長曲線を使用している。データの増加と減少を捉えるため、トレンドがシステム的に変化する場合にも対応できる。
  • 季節性モデル: Prophetは、週次、年次、月次などの季節性パターンをモデル化するためにフーリエ変換を用いている。これにより、周期的な変動を捉えることができ、また、特別なイベント(休日など)に対する影響も考慮できる。
  • ホリデーエフェクト: Prophetは特別なイベントや休日をモデルに組み込むための仕組みを持っている。これにより、休日におけるデータの変動を正確に捉えることができる。
  • ノイズモデル: Prophetは、時系列データに含まれるノイズやランダムな要因を考慮してモデル化している。これにより、データの不確実性を反映させることができる。

Prophetの利点は、ユーザーフレンドリーなインターフェースと高い柔軟性にあります。ユーザーは、トレンドの変化や季節性パターン、ホリデーエフェクトなどをカスタマイズしてモデルを構築し、予測を行うことができる。

Prophetでの分析手順について

Prophetを使用して時系列データの分析を行う一般的な手順を以下に示す。Prophetは、トレンド、季節性、ホリデーエフェクトなどをモデル化し、予測するためのツールとなる。

データの準備:

  • 解析したい時系列データをCSVファイルなどから読み込む。データは、少なくとも「ds」(日付)と「y」(値)の2つのカラムを持つ必要がある。

ライブラリのインポート:

  • prophet パッケージをインポートする。
from prophet import Prophet

モデルのインスタンス作成:

  • Prophetモデルのインスタンスを作成する。
model = Prophet()

季節性のカスタマイズ(オプション):

  • モデルの季節性をカスタマイズするために、add_seasonalityメソッドを使用できる。例えば、週次や年次の季節性を追加することができる。
model.add_seasonality(name='weekly', period=7, fourier_order=3) 
model.add_seasonality(name='yearly', period=365.25, fourier_order=10)

ホリデーエフェクトの追加(オプション):

  • 特別なイベントや休日の影響をモデルに組み込むために、add_country_holidaysメソッドを使用できる。
model.add_country_holidays(country_name='US')

データの適合と予測:

  • fit メソッドを使用してモデルにデータを適合させ、トレンドや季節性を学習させる。
model.fit(dataframe)
  • make_future_dataframe メソッドを使用して、未来の日付のデータを生成する。
future = model.make_future_dataframe(periods=365) # 365日先までの予測
  • predict メソッドを使用して予測を実行する。
forecast = model.predict(future)

結果の可視化:

  • prophetは結果の可視化もサポートしている。以下のようにしてトレンドや季節性、予測結果をプロットできる。
fig = model.plot(forecast)

以上が一般的なProphetを使用した時系列データの分析手順となる。

複数の時系列データの評価について

次に、複数の時系列データがある場合の評価について述べる。それらを考える上でまず、時系列データを分析する前にデータの素性を可視化して確認することが重要になる。ここでは、複数の時系列データのCSVファイルを読み込んで散布図に表示する方法について述べる。この場合、各CSVファイルは異なる時系列データを含んでおり、それを散布図で比較することを考えている。

まず、必要なライブラリをインポートする。以下のコード例では、pandasmatplotlibを使用する。

pip install pandas matplotlib

次に、複数のCSVファイルを読み込んで散布図に表示するコード例を示します:

import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
import glob

# 読み込むCSVファイルがあるディレクトリを指定
csv_directory = 'path_to_directory_containing_csv_files'

# ディレクトリ内の全てのCSVファイルのパスを取得
csv_files = glob.glob(f'{csv_directory}/*.csv')

# CSVファイルを読み込んで散布図にプロット
for csv_file in csv_files:
    df = pd.read_csv(csv_file)
    
    # CSVファイル名から時系列データの名前を取得
    series_name = csv_file.split('/')[-1].split('.')[0]
    
    # 時系列データの散布図をプロット
    plt.scatter(df['timestamp_column'], df['value_column'], label=series_name)

# グラフの設定
plt.xlabel('Timestamp')
plt.ylabel('Value')
plt.legend()
plt.title('Scatter Plot of Time Series Data')
plt.xticks(rotation=45)
plt.tight_layout()

# グラフを表示
plt.show()

このコードは、指定したディレクトリ内の全てのCSVファイルを読み込み、各ファイル内の時系列データを散布図としてプロットするものとなる(timestamp_columnvalue_columnは、実際のCSVファイルのカラム名に置き換える)。

これらで可視化したとき、個々の時系列データが同じトレンドであればそのままprophetでの分析を考えることができる。それらが異なるトレンドを持つ場合には、それぞれの時系列データをクラスタリングして、それぞれのクラスでprophet分析を行うか、”ベイズ構造時系列モデルの概要と適用事例及び実装例について“あるいは”状態空間モデルの概要とRとPythonを用いた時系列データの解析の実装例“で述べているような確率分布をベースとしたアプローチが必要となる。

参考情報と参考図書

時系列データ解析に関しては”時系列データ解析“に詳細を述べている。そちらも参照のこと。

参考図書としては”現場ですぐ使える時系列データ分析~データサイエンティストのための基礎知識~

Pythonによる時系列分析 ―予測モデル構築と企業事例―

時系列解析: 自己回帰型モデル・状態空間モデル・異常検知

物体・画像認識と時系列データ処理入門“等がある。

コメント

  1. […] Prophetを用いた時系列分析について […]

  2. […] Prophetを用いた時系列分析について […]

  3. […] Prophetを用いた時系列分析について […]

  4. […] 時間的な変化をモデル化するために、適切な時間予測モデルを選択する。一般的なモデルには、時系列モデル(”状態空間モデルの概要とRとPythonを用いた時系列データの解析の実装例“で述べているARIMA、”LSTMの概要とアルゴリズム及び実装例について“に述べているLSTM、”Prophetを用いた時系列分析について“で述べているProphetなど)、”グラフニューラルネットワークの概要と適用事例およびpythonによる実装例について“で述べているグラフニューラルネットワーク(GNN)、”Clojureを用いた回帰分析(2) 重回帰モデル“で述べている回帰モデルなどが含まれる。モデルの選択は、データの性質とタスクに依存する。 […]

  5. […] それらの中で代表的な手法としては、“RやPythonを用いた一般的な時系列解析のための実装例“でも述べているARIMA、”Prophetを用いた時系列分析について“で述べているProphet、”LSTMの概要とアルゴリズム及び実装例について“で述べているLSTM、状態空間モデルなどが用いられる。これらの手法は機械学習に基づいた予測手法で、過去の時系列データを学習して未来の予測を行うものとなる。 […]

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