EMアルゴリズムについて
EMアルゴリズム(Expectation-Maximization Algorithm)は、統計的推定や機械学習の分野で広く用いられる反復最適化アルゴリズムとなる。特に、未観測の潜在変数(latent variable)が存在する確率モデルのパラメータ推定によく用いられている。
EMアルゴリズムは、観測データと潜在変数の同時確率モデルを考える。一般的な目的は、潜在変数を積分アウトすることで、観測データの対数尤度を最大化するモデルのパラメータを見つけることとなる。
EMアルゴリズムの手順は以下のようになる。
- 初期化: パラメータの初期値を設定する。
- Eステップ (Expectation Step): 現在のパラメータのもとで、潜在変数の事後分布を計算する。これは、現在のパラメータに基づいて、各データ点の潜在変数の期待値を求めることを意味する。
- Mステップ (Maximization Step): Eステップで計算した潜在変数の期待値を用いて、パラメータを最大化する値を求める。これにより、対数尤度を最大化するパラメータの更新が行われる。
- 収束判定: パラメータの更新量が設定した閾値以下になるか、または指定した反復回数に達するまで、2と3のステップを繰り返す。
EMアルゴリズムは、対数尤度を増加させる方向にパラメータを更新するため、反復的な最適化を通じてパラメータの収束を図る。各ステップでは、Eステップで潜在変数の事後分布を計算し、Mステップでパラメータの最大化を行うことにより、パラメータの最適化が進行する。
EMアルゴリズムの適用事例
EMアルゴリズムは、さまざまな実世界の問題に応用されている。以下に代表的な適用事例をいくつか挙げる。
- 混合モデル: EMアルゴリズムは、混合モデルのパラメータ推定に広く利用される。混合モデルは、複数の確率分布の線形結合としてデータをモデリングする手法となる。例えば、ガウス混合モデルでは、データが複数のガウス分布から生成されると仮定している。EMアルゴリズムは、観測データから各ガウス分布のパラメータ(平均、分散)および混合係数を推定するのに使用される。
- 隠れマルコフモデル (Hidden Markov Model, HMM): HMMは、系列データをモデリングするための確率モデルとなる。これは例えば、音声認識や自然言語処理などのタスクでよく利用されている。HMMでは、系列データの生成過程に潜在的な状態が存在し、観測データと状態の関係をモデル化する。EMアルゴリズムは、HMMのパラメータ推定に使用され、Eステップでは、現在のパラメータに基づいて各時刻の潜在状態の事後分布を推定し、Mステップではパラメータの最大化を行っている。
- 欠損データ処理: データセット中に欠損値が含まれる場合、EMアルゴリズムは欠損データの補完に利用される。Eステップでは、欠損値を含むデータの欠損部分についての事後分布を推定し、Mステップではパラメータの最大化を行う。これにより、欠損データを考慮したパラメータ推定や予測が可能となる。
- レーティング予測: レコメンデーションシステムなどで利用されるレーティング予測問題においても、EMアルゴリズムが適用される。これは例えば、共通の潜在特徴を持つユーザーとアイテムの間の評価をモデル化するために、行列分解ベースの手法が使用され、EMアルゴリズムを使用して、モデルのパラメータ(ユーザーとアイテムの特徴ベクトル)を推定するようなものとなる。
EMアルゴリズムの拡張
EMアルゴリズムでは、以下に示すようなさまざまな拡張が提案されている。
- メモ化EM(EM with Memoization): メモ化EMは、EMアルゴリズムの高速化手法となる。通常のEMアルゴリズムでは、Eステップで各データ点の事後確率を計算するために複数回の期待値計算が必要となるが、メモ化EMでは、事後確率の計算結果をキャッシュし、再利用することで計算時間を削減する。
- SEM(Structured EM): SEMは、EMアルゴリズムを構造化データに適用するための拡張となる。通常のEMアルゴリズムでは、データが独立であることを仮定しているが、SEMではデータ間に構造や依存関係がある場合に対応している。これは例えば、グラフ構造や系列データなどを扱う際に有用となる。
- ランダム化EM(Randomized EM): ランダム化EMは、EMアルゴリズムの初期化ステップをランダムに行うことで、局所解に陥りにくくする手法となる。通常のEMアルゴリズムは初期化によって結果が大きく左右されることがあるが、ランダム化EMは複数の初期化を試行し、最も良い結果を選択することで安定性を向上させる。
- 混合比制約付きEM(EM with Mixture Proportion Constraints): 混合比制約付きEMは、混合モデルの混合比に制約を課すことで、推定結果を改善する手法となる。混合モデルでは各成分の混合係数が非負かつ合計が1である必要があるが、実際のデータではこの制約が満たされないことがある。混合比制約付きEMは、この制約を強制することでモデルの適合度や解釈性を向上させている。
以下に具体的な適用例の 処理フローイメージとpythonによる実装例について述べる。
EMアルゴリズムによる混合モデルの処理
<処理ステップの概要>
EMアルゴリズムの処理例として、ガウス混合モデル(Gaussian Mixture Model, GMM)のパラメータ推定を考える。これらは、以下の手順で実行される。
- 初期化:
- K個のガウス分布の平均(μ)と分散(σ^2)をランダムに初期化する。
- データセットを用意する。
- Eステップ(Expectation step):
- 各データポイントに対して、各ガウス分布からの事後確率を計算する。つまり、各データポイントが各ガウス分布から生成される確率を計算する。
- 事後確率は、ベイズの定理と各ガウス分布のパラメータ(μ, σ^2)を使用して計算される。
- Mステップ(Maximization step):
- 各ガウス分布のパラメータ(μ, σ^2)を再推定する。
- 各ガウス分布の平均(μ)は、Eステップで計算した事後確率を使用して重み付き平均を計算する。重みは事後確率となる。
- 各ガウス分布の分散(σ^2)は、Eステップで計算した事後確率を使用して重み付き分散を計算する。
- 収束判定:
- パラメータの変化が十分小さくなるまで、EステップとMステップを繰り返す。
- 通常、収束判定は対数尤度の変化量やパラメータの変化量を監視して行う。
- 結果の出力:
- 収束したパラメータを使用して、各データポイントの所属するガウス分布やクラスタを決定する。
以上の手順を繰り返すことで、EMアルゴリズムによってガウス混合モデルのパラメータ推定が行われる。Eステップでは各データポイントの所属するガウス分布の事後確率を計算し、Mステップでは事後確率を使用してガウス分布のパラメータを再推定する。このプロセスは反復的に行われ、収束すると最終的なパラメータ推定結果が得られる。
<pythonによる実装例>
以下に、混合ガウスモデルのパラメータ推定のPythonを使用したEMアルゴリズムの実装例を示す。
import numpy as np
def expectation_maximization(data, num_components, num_iterations):
# データの次元数とデータ点の数を取得
num_features = data.shape[1]
num_samples = data.shape[0]
# パラメータの初期化
# 平均、分散、混合係数をランダムに初期化
means = np.random.randn(num_components, num_features)
variances = np.random.rand(num_components, num_features)
variances += 1e-6 # ゼロ割りを防ぐために小さな値を足す
mixing_coeffs = np.ones(num_components) / num_components
# EMアルゴリズムの反復処理
for iteration in range(num_iterations):
# Eステップ: 各データ点に対する潜在変数の事後確率を計算
posteriors = np.zeros((num_samples, num_components))
for k in range(num_components):
# 各データ点に対するk番目のガウス分布の事後確率を計算
prior = mixing_coeffs[k]
likelihood = gaussian_pdf(data, means[k], variances[k])
posterior = prior * likelihood
posteriors[:, k] = posterior
posteriors /= np.sum(posteriors, axis=1, keepdims=True) # 正規化
# Mステップ: パラメータの最大化
for k in range(num_components):
# 各ガウス分布のパラメータを再推定
posterior_sum = np.sum(posteriors[:, k])
means[k] = np.sum(posteriors[:, k].reshape(-1, 1) * data, axis=0) / posterior_sum
variances[k] = np.sum(posteriors[:, k].reshape(-1, 1) * (data - means[k])**2, axis=0) / posterior_sum
mixing_coeffs[k] = posterior_sum / num_samples
return means, variances, mixing_coeffs
def gaussian_pdf(x, mean, variance):
# ガウス分布の確率密度関数
exponent = -0.5 * ((x - mean) ** 2) / variance
coef = 1 / np.sqrt(2 * np.pi * variance)
return coef * np.exp(exponent)
この実装では、与えられたデータセット(data
)に対して、指定した数の混合ガウス分布を用いてEMアルゴリズムを実行している。num_components
は混合モデルの成分数、num_iterations
はEMアルゴリズムの反復回数を指定する。
Eステップでは、各データ点に対して各ガウス成分の事後確率を計算し、Mステップではそれらの事後確率を使用して各成分のパラメータを再推定する(平均、分散、混合係数)。このプロセスを指定した反復回数だけ繰り返している。
EMアルゴリズムによる隠れマルコフモデルの処理
<処理ステップの概要>
以下にEMアルゴリズムを用いた隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model, HMM)のパラメータ推定の処理フローを示す。
- 初期化:
- HMMの状態遷移確率行列(遷移行列)、出力確率行列、初期状態確率をランダムに初期化する。
- データセットを用意する。
- Eステップ(Expectation step):
- データセットを基に、各時刻における各状態への事後確率(前向き確率、後ろ向き確率)を計算する。
- フォワードアルゴリズムを使用して前向き確率を計算し、バックワードアルゴリズムを使用して後ろ向き確率を計算する。
- Mステップ(Maximization step):
- Eステップで計算した事後確率を使用して、HMMのパラメータを再推定する。
- 遷移行列の推定: 事後確率を使用して、各状態間の遷移確率を推定する。
- 出力確率行列の推定: 事後確率と観測データを使用して、各状態での観測値の出力確率を推定する。
- 初期状態確率の推定: 事後確率を使用して、初期状態確率を推定する。
- 収束判定:
- パラメータの変化が十分小さくなるまで、EステップとMステップを繰り返す。
- 通常、収束判定は対数尤度の変化量やパラメータの変化量を監視して行う。
- 結果の出力:
- 収束したパラメータを使用して、各時刻における最も尤もらしい状態の系列を推定する。
EMアルゴリズムによる隠れマルコフモデルのパラメータ推定では、Eステップで各時刻における事後確率を計算し、Mステップで遷移行列、出力確率行列、初期状態確率を再推定する。このプロセスを繰り返し、パラメータが収束すると最終的なパラメータ推定結果が得られる。また、結果として各時刻における最も尤もらしい状態の系列も得ることができる。
<pythonによる実装>
EMアルゴリズムによる隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model, HMM)の処理をPythonで実装するためには、いくつかのライブラリや関数を使用することが一般的となる。以下に、Pythonのライブラリhmmlearn
を使用した隠れマルコフモデルのEMアルゴリズムによる処理の実装例を示す。
まず、hmmlearn
ライブラリをインストールする。
pip install hmmlearn
次に、以下のコードを使用して、EMアルゴリズムによるHMMのパラメータ推定を行う。
from hmmlearn import hmm
import numpy as np
# データセットの準備
X = np.array([[0], [1], [0], [1], [0]])
# HMMの初期化
model = hmm.GaussianHMM(n_components=2, n_iter=100)
# EMアルゴリズムによるパラメータ推定
model.fit(X)
# 推定された遷移行列
print("推定された遷移行列:")
print(model.transmat_)
# 推定された出力確率行列
print("推定された出力確率行列:")
print(model.emissionprob_)
上記のコードでは、hmmlearn
ライブラリからhmm.GaussianHMM
クラスを使用して、2つの状態を持つHMMを初期化している。n_components
は状態の数を指定し、n_iter
はEMアルゴリズムの反復回数を指定する。
データセットX
は観測データを表し、この例では1次元の連続値を持つシーケンスとして定義されている。model.fit(X)
を呼び出すことで、EMアルゴリズムによってHMMのパラメータ推定が行われ、推定された遷移行列と出力確率行列は、model.transmat_
とmodel.emissionprob_
から取得できる。
EMアルゴリズムによる欠損データの処理
<処理ステップの概要>
EMアルゴリズムを使用して欠損データを処理するための一般的なフローを以下に示す。
- データセットの準備:
- 欠損値を含むデータセットを準備する。
- 初期化:
- 欠損値を補完するためのモデルのパラメータを初期化する。これには、観測変数の分布や関係するパラメータが含まれる。
- Eステップ(Expectation step):
- 欠損値を除いたデータを使用して、補完されたデータの事後確率または期待値を推定する。
- 観測データを元に、補完されたデータの非観測変数の事後確率や予測値を計算する。
- Mステップ(Maximization step):
- Eステップで推定した事後確率や予測値を使用して、モデルのパラメータを再推定する。
- パラメータは、補完されたデータを元に“最尤推定の概要とアルゴリズムおよびその実装について“で述べている最尤推定や最大事後確率推定などの手法で更新される。
- 収束判定:
- パラメータの変化が収束条件を満たすまで、EステップとMステップを反復的に繰り返す。
- 収束判定には、パラメータの変化量や対数尤度の変化量などが使用される。
- 結果の出力:
- 最終的に推定されたパラメータを使用して、欠損値を補完したデータを得ることができる。
<pythonによる実装>
欠損データを扱うためのEMアルゴリズムの実装には、具体的な欠損データのパターンや使用するモデルによって異なるアプローチがある。以下に、Pythonを使用した一般的な欠損データ推定の実装例を示す。
まず、以下のようなデータセットを考える。
import numpy as np
# 欠損値を含むデータセット
dataset = np.array([[1, 2, np.nan, 4],
[5, np.nan, 7, 8],
[9, 10, np.nan, 12]])
この例では、2次元のデータセットがあり、いくつかの要素が欠損値(np.nan
)として表現されている。
次に、EMアルゴリズムを使用して欠損データを推定する手順を示す。
import numpy as np
def em_algorithm(dataset, max_iterations=100):
# データセットの行数と列数を取得
n_samples, n_features = dataset.shape
# 欠損値をランダムな値で初期化
estimated_data = np.copy(dataset)
estimated_data[np.isnan(dataset)] = np.random.rand(np.isnan(dataset).sum())
# EMアルゴリズムの反復処理
for _ in range(max_iterations):
# Eステップ: 欠損値を推定
for i in range(n_samples):
for j in range(n_features):
if np.isnan(dataset[i, j]):
# 欠損値を予測値で補完
estimated_data[i, j] = estimated_data[i].mean()
# Mステップ: モデルのパラメータ再推定
# 省略:モデルのパラメータを再推定する処理を実装
return estimated_data
# EMアルゴリズムを適用して欠損データを推定
estimated_data = em_algorithm(dataset)
# 推定結果を表示
print("推定されたデータ:")
print(estimated_data)
上記のコードでは、EMアルゴリズムを実装したem_algorithm
関数を定義している。この関数では、データセットの欠損値をランダムな値で初期化し、Eステップでは欠損値を予測値で補完する。Mステップでは、省略されているが、必要に応じてモデルのパラメータを再推定する処理を実装する。最後に、em_algorithm
関数を呼び出して欠損データを推定し、推定結果を表示している。
EMアルゴリズムを用いたレーティング予測の処理
<処理ステップの概要>
EMアルゴリズムを使用してレーティング予測を行うための一般的な処理フローを以下に示す。
- データの準備:
- ユーザーがアイテムに対して与えたレーティングデータを準備する。
- レーティングデータは、ユーザーID、アイテムID、レーティング値などの情報を含む形式で表現される。
- 初期化:
- レーティング予測を行うためのモデルのパラメータを初期化する。これには、ユーザーごとの傾向やアイテムごとの特徴などが含まれる。
- Eステップ(Expectation step):
- レーティングデータを元に、ユーザーごとのアイテムへの評価の事後確率を推定する。
- ユーザーごとに、アイテムへの評価の事後確率や予測値を計算する。
- Mステップ(Maximization step):
- Eステップで推定した事後確率や予測値を使用して、モデルのパラメータを再推定する。
- パラメータは、最尤推定やベイズ推定などの手法を使用して更新される。
- 収束判定:
- パラメータの変化が収束条件を満たすまで、EステップとMステップを反復的に繰り返す。
- 収束判定には、パラメータの変化量や対数尤度の変化量などが使用される。
- レーティング予測:
- 最終的に推定されたパラメータを使用して、未知のアイテムへのレーティングを予測する。
- 予測結果は、ユーザーごとに最も高い評価やランキングとして提供されることが一般的となる。
<pythonによる実装>
EMアルゴリズムを使用してレーティング予測を行うための一般的な実装例を示す。この例では、単純な行列分解ベースのモデルである確率行列分解 (Probabilistic Matrix Factorization, PMF) を使用している。
以下のコードは、PythonのNumPyライブラリを使用してEMアルゴリズムによるレーティング予測を実装する例となる。
import numpy as np
def em_algorithm(ratings, num_users, num_items, latent_dim, max_iterations=100, tol=1e-4):
# レーティングデータの行数と列数を取得
num_ratings = len(ratings)
# 行列分解のためのパラメータを初期化
user_latent = np.random.rand(num_users, latent_dim)
item_latent = np.random.rand(num_items, latent_dim)
# EMアルゴリズムの反復処理
for iteration in range(max_iterations):
# Eステップ: レーティングの事後確率を推定
# ユーザーごとに事後確率を計算
user_posterior = np.zeros((num_users, latent_dim))
for user in range(num_users):
relevant_ratings = ratings[ratings[:, 0] == user, :]
item_indices = relevant_ratings[:, 1].astype(int)
item_ratings = relevant_ratings[:, 2]
user_posterior[user] = np.dot(item_latent[item_indices].T, item_ratings)
# Mステップ: モデルのパラメータを再推定
# ユーザーパラメータを再推定
for user in range(num_users):
relevant_ratings = ratings[ratings[:, 0] == user, :]
item_indices = relevant_ratings[:, 1].astype(int)
item_ratings = relevant_ratings[:, 2]
item_latent_sum = np.dot(item_latent[item_indices], item_latent[item_indices].T)
item_rating_vector = np.dot(item_latent[item_indices].T, item_ratings)
user_latent[user] = np.linalg.solve(item_latent_sum, item_rating_vector)
# アイテムパラメータを再推定
for item in range(num_items):
relevant_ratings = ratings[ratings[:, 1] == item, :]
user_indices = relevant_ratings[:, 0].astype(int)
user_ratings = relevant_ratings[:, 2]
user_latent_sum = np.dot(user_latent[user_indices], user_latent[user_indices].T)
user_rating_vector = np.dot(user_latent[user_indices].T, user_ratings)
item_latent[item] = np.linalg.solve(user_latent_sum, user_rating_vector)
# 収束判定
if iteration > 0:
delta = np.abs(prev_user_latent - user_latent).sum() + np.abs(prev_item_latent - item_latent).sum()
if delta < tol:
break
# パラメータの更新を保存
prev_user_latent = user_latent.copy()
prev_item_latent = item_latent.copy()
return user_latent, item_latent
# レーティングデータの例
ratings = np.array([[0, 0, 5],
[0, 1, 4],
[1, 1, 3],
[1, 2, 2],
[2, 0, 1],
[2, 2, 5]])
num_users = 3
num_items = 3
latent_dim = 2
# EMアルゴリズムによるレーティング予測
user_latent, item_latent = em_algorithm(ratings, num_users, num_items, latent_dim)
# ユーザーパラメータとアイテムパラメータを表示
print("ユーザーパラメータ:")
print(user_latent)
print("アイテムパラメータ:")
print(item_latent)
この例では、与えられたレーティングデータをもとに、EMアルゴリズムによってPMFモデルのパラメータであるユーザーパラメータ (user_latent
) とアイテムパラメータ (item_latent
) を推定している。
EMアルゴリズムの反復処理では、Eステップでレーティングの事後確率を推定し、Mステップでユーザーパラメータとアイテムパラメータを再推定する。これらのステップを反復的に繰り返すことで、パラメータが収束し、最終的なレーティング予測が得られる。
参考情報
EMアルゴリズムに対する情報としては”EMアルゴリズム徹底解説“、”EMアルゴリズムをはじめからていねいに“、”EMアルゴリズムとともだちになろう“、”ITエンジニアのための機械学習理論入門“等がある。
コメント
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