街道をゆく 耽羅紀行(韓国・済州島)

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サマリー

旅は人間が新しい場所を訪れ、異なる文化や歴史を体験するための行為であり、旅を通じて、歴史的な場所や文化遺産を訪れることで、歴史的な出来事や人々の生活を実際に感じることができ、歴史をより深く理解し、自分自身の視野を広げることができる。ここでは、この旅と歴史について司馬遼太郎の「街道をゆく」をベースに旅と訪れた場所の歴史的な背景について述べる。

第26巻より。 前回は台湾紀行について述べた。今回の旅は韓国・済州島の旅となる。済州島では聖地、三姓穴を訪問し、島を西回りに南下して、元の支配に最後まで抵抗した三別抄軍の終焉の地や翰林公園に立ち寄る。島南部の西帰浦市では地元の長老たちと会い、漢拏山麓を車で横断して、13世紀、草原を求めて南下してきたモンゴル人と蒙古馬のことを考える。古い港の朝天では、500年続いた儒教国家である李朝時代に島に流されてきた官僚たちについて考え、念願のシャーマンや海女らと会って旅を締めくくる。

韓国済州島(チェジュとう、さいしゅうとう)は、朝鮮半島の南西、日本海、東シナ海、黄海の間にある火山島。その付属島嶼と併せて大韓民国済州特別自治道を構成する島となる。人口は約66万人、面積は1,845 km2。以前には英語などの西洋言語では Quelpart(クエルパート、퀠파트)とも呼ばれていた。

1402年まで耽羅という独立した王国があった。高麗李氏朝鮮による併合後は流刑地となり、朝鮮半島からの人口流入は流刑の時くらいであり、独自の文化を保つ場所となっていた。

かつては産業が無い困窮地域であったが、島の周辺には暖流である対馬海流が流れているため、大陸性気候により冬の寒さが厳しい韓国の中では最も気候が温暖で、この気候を利用して、1960年代に在日韓国人らが日本からみかんの苗木を持ち込んで産業形成し韓国で唯一のミカンの産地となり、首都ソウルと共に代表的な韓国の観光地となっている。

島の中心には標高1,950mの漢拏山がある。180万年前から火山活動が始まり楯状火山の活動で島がほぼ形成され、その後、単成火山群が活動した。島内および海岸には360個以上の火砕丘が形成されている。岩質は主に玄武岩から成る。漢拏山は同国において最高峰であり、多くの登山客が訪れる。済州島は日本とも近く、最も近い長崎県の五島列島まで180kmほどの距離にある。

街道をいくの旅では、まず済州島には、「三姓神話」という、建国神話の聖地である三姓穴を訪れている。

未だ人の住まない太古の済州に高・・夫の三兄弟の神人がいた。ある日、漢拏山から遠くの海を眺めていたところ、東方から流れてくる木の箱を発見した。開けてみると、箱の中には東国の碧浪国(へきろうこく:日本とされている)から来た紅帯紫衣の使者と美しい三人の姫と駒と馬と五穀が入っていた。

三兄弟の神人は、彼女たちを妻として迎え、年齢順に住処を定めて暮らすようになった。その後三兄弟の神人の子孫たちは、産業と五穀の栽培を始めて集落をつくるようになり、約900年後に皆の人望を集めた高氏を王として、初めて「タクラ」という王国が成立した。

その後耽羅国が成立し、4世紀頃には、百済朝貢していた。新羅朝鮮半島統一後は、主に新羅に朝貢するようになったが、日本へも朝貢を行い、日本からも使節が派遣されるなど独自の外交を行っていた。

高麗時代の1105年肅宗在位期間に耽羅郡として直轄領として組み込まれ、独立国ではなくなった。更に、1200年頃にが高麗に侵攻した際に、に対して抵抗した三別抄の残党は、済州島を最後の拠点として立てこもった。しかし、反乱は1273年に元・高麗軍によって鎮圧され、済州島は元の直轄地に組み込まれた。

司馬遼太郎等は、三姓穴を訪れた後、この三別抄軍の終焉の地や

翰林公園に立ち寄っている。

その後韓国で最高峰の山となる漢拏山麓を車で超え

現在では済州馬と呼ばれている元が持ち込んだ蒙古馬のずんぐりとした姿を眺め

最終的に土着していったモンゴル人や蒙古馬について思いをはせる。

1392年から始まった朝鮮王朝の時代には、済州島は、主に政争で負けた王族や外戚、両班や学者、盗賊や国境を越えようとした者といった様々な罪人が送られる流刑地となっていき、司馬遼太郎等は、朝鮮半島と結ぶ港である朝天を訪れている。

当時は鄙びた街であったものが、現在では、高層ビルが並ぶカラフルな観光名所となっている。

旅の終わりは、韓国ドラマでもお馴染みの踊る巫女であるシャーマン(司馬遼太郎は、日本の恐山のイタコも同じルーツを持っていると述べている)や

海女らと会って旅を締めくくっている。海女は世界の中で日本と韓国のみにいて、その規模は韓国の方がかなり多いらしい。

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