イサム・ノグチとその作品

life tips & 雑記 禅の歴史と思想 旅と歴史 アートとスポーツ 本ブログのナビ

イサム・ノグチについて

イサム・ノグチ(Isamu Noguchi、1904年 – 1988年)は、日系アメリカ人の彫刻家、デザイナー、舞台美術家として広く知られているアーティストであり、彼の作品は彫刻、家具デザイン、ランドスケープデザインなど多岐にわたり、その多彩な活動によって20世紀を代表する芸術家の一人とされている。

彼は、1904年にロサンゼルスで日本人詩人の野口米次郎とアメリカ人作家のレオニー・ギルモアの間に生まれ、1907年には来日し、当初は東京に住んでいたが、一年後に茅ヶ崎に転居、茅ヶ崎市菱沼の旧跡牡丹餅立場近くに住み、松林尋常小学校に通った。

自然豊かな茅ヶ崎の事を晩年、振り返り「子供時代を、自然の変化に敏感な日本で過ごしたのは幸運だった。日本ではいつも自然が身近だった。僕のアーチストとしての開眼は茅ヶ崎で培われたものだ・・・」と語ってる。

1915年の1学期間休学し、母親の個人教授を受けながら茅ヶ崎の指物師(さしものし狭義で家具職人のことを言う)について見習い修行していき、学校を卒業した後、単身1918年インディアナ州ローリング・プレーリーのインターラーケン校に7月に入学するが、8月に同校は閉鎖。エドワード・ラムリーが父親代わりとなり、C・マック宅に寄宿し、ラ・ポート高校に通学し、トップの成績で卒業する。茅ヶ崎では4軒の家を転居し、滞在は正味6、7年となる。

終戦後、1947年に「ノグチ・テーブル」をデザイン・制作。これは、ミッドセンチュリーモダンデザインのアイコンとして知られており、このテーブルは、ガラスの天板と木製の脚部のシンプルで美しい組み合わせが特徴的なものとなっている。

1950年に再来日し、銀座三越で個展を開き、その時丹下健三、谷口吉郎、アントニン・レーモンドらと知己になる。1年後岐阜市長の依頼で岐阜提灯をモチーフにした和紙で作られた「あかり(Akari)」シリーズのデザインを開始する。

鎌倉の北大路魯山人に陶芸を学び、素焼きの作品制作。魯山人の邸宅敷地内にアトリエ兼住まいも構えた。1961年からはアメリカに戻り、ロング・アイランドシティにアトリエを構え、1969年にシアトル美術館にて彫刻作品『黒い太陽』を設置する。

東京国立近代美術館のために『門』を設置する。

この彫刻は赤と黒の2色の配色であったが、2022年に塗り替えが行われ現在は青一色ものと変わっている。

日本でイサムノグチの作品を見れる場所

上記のもの以外にも、日本でイサム・ノグチの作品を見ることができる場所は複数ある。

イサム・ノグチ庭園美術館(高松市):

イサム・ノグチ庭園美術館は、香川県高松市のJR高松駅からタクシーで25分の場所にあるイサム・ノグチのアトリエがそのまま保存されている美術館で、彫刻作品や庭園、建物そのものが展示されているものとなる。

敷地は庵治石の産地である五剣山と”笈の小文と街道をゆく-明石海峡/淡路みち“でも述べている源氏と平氏の戦いの舞台であった屋島の間にあり、そこで石と庭をテーマにした創作が行われており、ここでは、庭園に展示された大規模な彫刻作品とノグチが設計した住居兼アトリエを見ることができ、ノグチの生涯と作品を深く理解できる場所となっている。

この美術館は、完全予約制で、事前に往復ハガキ等で時間と場所を指定して申し込む必要がある。

草月会館(東京):

東京都港区赤坂にある草月会館は、地下鉄の青山一丁目駅から徒歩5分の場所にある。丹下健三が設計したガラス張りのビルの1階に、ノグチがデザインした花と石と水の広場である「天国」がある。

草月会館はいけばな草月流の50周年を記念して作られた建物で、そこでは、いけばなの展示空間はもちろんのこと、展覧会、ライブ、パフォーマンス、ロケーション撮影、ファッションショーなど、様々なアーティストが、独創的な作品を発表し続けている場となっている。

彫刻の森美術館(神奈川県箱根町):

神奈川県足柄下郡箱根町にある彫刻の森に、いくつかのノグチの屋外彫刻作品が展示されている。

モエレ沼公園:

イサム・ノグチが設計したモエレ沼公園(Moerenuma Park)は、北海道札幌市にあり札幌駅からバスで約40分の自然豊かな場所に位置している。ここは、彫刻、自然、建築が一体となった総合的なアートスペースとして知られている。

主要な見どころとしては、公園のシンボルとも言えるガラスのピラミッド(HIDAMARI)、高さ62メートルの人工の山で、登ると公園全体や札幌市内の景色を一望できるモエレ山、直径48メートルの巨大な噴水で、1日に数回、壮大な噴水ショーが行われる海の噴水、四角錐の形をしたモニュメントであるテトラマウンドなどになる。

モエレ沼公園は、イサム・ノグチの死の直前に構想され、その後も彼の遺志を継いだ人たちにより当初のマスタープランをほぼ忠実に完成させたものとなっている。彫刻、公園設計、建築の要素が融合したこの公園は、彼の芸術的なビジョンを具現化し、訪れる人々に独特の美と自然との調和を提供したものとなっている。

イサム・ノグチの作品は、その多様性と革新性から高く評価されており、彼のデザインと彫刻は、形態と機能、自然と人工、東洋と西洋の融合を目指したもので、その独自性は現代芸術に大きな影響を与えている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました