課題解決

禅:Zen

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課題解決

PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(調整)の4つのサイクルを回すPDCAは古くからあるフレームワークである。このフレームワークは多くの企業において製造工程の改善活動やチームやプロジェクトを管理するマネジメントの手法として用いられている。

このフレームワークでは具体的に、現状の分析とそれによる仮説の構築、構築された仮説を検証する為に目標値を考えて、それを検証する為の実行プランを考えて実行し、結果がその目標値に対してどうなったかを検証/分析し、その分析結果から次の仮説を考えるサイクルを回すことになる。

これを行う際に重要なのは、分析と仮説の構築になる。ここで具体的な例で説明したい。例えば、クライアントとか上司に、遠隔地に設置する装置のメンテナンスコストを下げたいから、電力を供給しないでも動くメカニズムを考えて欲しいというリクエストを受けたとする。

これに対してのアプローチはいくつかある。一番の悪手は、ネットで調べて「電力無しで動くもの→永久機関→熱力学的にも不可能であることが証明されている→そのようなものはできない」という流れになるだろうか。更に一段悪手になると「永久機関→熱力学的にも負の可能が証明されている」の部分を更に細かく調査して理論武装に重厚さを増すもとなるだろう。

上記のロジックでどこが問題かというと、「電力無しで動くもの」から検討をスタートしているところにある。元々の課題は「遠隔地に設置する装置のメンテナンスコストを下げたいから」というものだったのに、その部分をスルーしてしまっているのだ。「永久機関」はあくまでも手段の一例に過ぎす、解決したい課題は「遠隔地に設置する装置のメンテナンスコストを下げたいから」にある。

この本質的な課題からスタートして検討すると、選択肢は「自発電するもの」であったり「長持ちする電池を利用する」「超省エネで動作する装置にする」「マイクロ原子力発電」等様々な解決策が考えられ、実は「電力無しで動くもの」という条件は必須ではない事が判明する。

このような思考に先入観を持たないスタンスは前述の禅の考え方にも通じるところがあると思う。今目の前にある情報を元に主観的な思い込みを排除してフラットな目線で分析を行うというものだ。これを行う上での問題点は、フラット視線でものを考えろと言われても、どこからどうやって考えていけば良いのかというものであろう。

特にその方面での経験がないと情報を額面だけで受け止めてしまい。中々先に進めないものだと思う。この問題を解決する為の有効な手段が、過去に試され有効性が確かめられている各種分析メソッドだ。

たとえば有名なトヨタの「何故何メソッド」はその一つになる。この手法は「それってどうしてそうしないといけないのか?(どうしてそうなのか?)」というと問いを最低5回一つの命題に対して投げかけて、課題の奥にある本質を炙り出すもので、前述の例だと「何故永久機関が必要なのか?→遠隔地に設置する装置のメンテナンスコストを下げたい」の流れに当たる。

この世の中には、多くの分析メソッドが編み出されそれぞれの事例と共に公開されている。これらを学び利用することは「禅的生活」で述べた無限の抽斗を増やすことにもつながと思う。次回は課題の分析と目標値の設定に現れるKPI,KGI,OKRについて述べたい。

コメント

  1. […] 前回の問題解決のシーンにはKPI(Key Performance Indicators)やKGI(Key Goal Indicator)等の3文字略語が登場する。今回はそれらについて述べてみたい。 […]

  2. […] このような解像度を上げる話は、生き方の話だけではなく、仕事を行うシーンでも現れる重要な考え方ではないかと思う。 […]

  3. […] 問題解決 PDAについて […]

  4. […] また上記のようなアプローチは”KPI,KGI,OKRについて(1) 課題の明確化の為の手法“や”問題解決 PDAについて“等で述べている様々な問題解決の場でも活用できる。 […]

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