オルガン・ジャズ

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エレクトリック・オルガン

ジャズの概要と機械演奏“で述べているようにジャズは、学術的な知識や十分な資金を持たないミュージシャンが演奏する自然発生的で非公式な音楽としてスタートし、発展過程で少しずつ演奏楽器の種類が増えていった。 ギターやバイオリン、吹奏楽で使われる金管楽器(トランペット、トロンボーン、クラリネット、サックス)などの生の楽器は、多くの場合手作りでで使われ、早い段階でシーンに登場したが、フルートやさまざまな木管楽器などの交響楽団系の楽器やオルガンは高価であった為、登場は遅れた。 

ローレンス・ハモンドが、当時教会でしか使用されていなかったパイプオルガンを電気化する研究を始め、「磁場で動く金属が電流を作りだす」という原理を使ったシンクロナス・モーターと、音色を豊かにするためにドローバーを組み込んだエレクトリック・オルガンを1935年に発明した。

エレクトリック・オルガンの特徴は、「トーンホイール」と呼ばれる発音原理による暖かく揺らぎのある音色となる。「トーンホイール」は金属の歯車で、ホイールが回転することにより磁界が発生しコイルとの電磁誘導によって正弦波が生じ、これをプリアンプで増幅して、様々な音階がアナログ的に作られる原理となる。

ハモンドオルガンは従来のオルガンと比べて、小型で価格も大幅に低減されたため、全米の無数の小さなナイトクラブやカフェでピアノの代わりに使用されるようになり、「オルガントリオ」(通常はオルガン、ドラム、ギターまたはサックスのいずれかで構成される)は、小さなコンボの楽器組み合わせで最も一般的なものの一つとなっていった。

オルガン・ジャズの歴史

第一世代のオルガン・ジャズのミュージッシャンとしてはトーマス・ファッツ・ウィーラーが挙げられる。

Fats Waller – Ain't Misbehavin' – Stormy Weather (1943)

そのウィーラーから、オルガンのてほどきを受けたカウントベイシーは、「カウントベイシーオーケストラ」というビックバンドのバンドリーダーとしてピアノを弾くかたわら、時折オルガン奏者としてレコーディングを行なっていた。

カウント・ベイシー・オーケストラの歴史 / フランス・ジャズ・ドミュメンタリー、1996年

オルガン・ジャズの演奏者は、ピアノから転向することが多く、ルイ・ジョーダンのジャズグループ「ティンパニー・ファイブ」のピアニストとして活動していたビル・デイビスもそのような一つとなる。

彼は、エレクトリック・オルガンを使った多様な音の組み合わせを研究し、ジャズ・オルガンというアイデアを気に入っていたデューク・エリントンのレコーディングに参加、ジャズミュージシャンとして初めて、電子オルガンでスイングするという問題を克服した。

Duke Ellington Orch. & (org)Wild Bill Davis / Satin Doll(in Denmark 1969)

それまでは、オルガンには音や和音の持続性に大きな問題がありました。ほんの一秒鍵盤を押し続けるのが長すぎると、ジャズ本来の感覚を損なうレガート効果になってしまい、短すぎると、陳腐なスタッカートのような印象を与える傾向があったが、ビル・デイビスはそのような問題を解決した。

ピアノから転向した初期のオルガン・ジャズの演奏者として、ジャッキー・デイビスがいる。彼は、ビル・デイビスのように「ワイルド」なサウンドに傾倒せず、彼の味のある、時にリラックスしたソロを聴くことができる。

All of You

1950年代後半に登場したジミー・スミスは、最初のベストセラージャズオルガン奏者、そして、全く新しい流派の創始者としての地位を確立したミュージッシャンとなる。

スミスの最大の長所は、まず、マニュアルとペダルの両方で驚異的なスピードとテクニック、そして前例のないほどの多彩なストップを使いこなしたことです。 彼が熱狂的なアップテンポでブルースを演奏するのを聞くことは、旗信号を一生かけて見た後にモールス信号で勢いよく出てくるメッセージを聞くことに匹敵するような経験であると言われている。

ザ・キャットThe Cat~ジミー・スミス JIMMY SMITH

その後、ラリー・ヤングはマイルス・デイヴィスと共演し、フュージョン音楽の発展に寄与したり、ジョーイ・デフランチェスコなどの若手ミュージシャンが登場し、伝統的なスタイルを継承しつつ、現代的な要素を取り入れた演奏で注目を集めたり、様々な形にオルガン・ジャズは発展している。

更に、デジタル技術やエフェクターの進化により、現代のオルガンジャズは多様なサウンドを追求することが可能になり、オルガンの音色はより豊かで表現力豊かになってきている。

現在のオルガン・ジャズと日本での生演奏を聴ける場所

現在のオルガンジャズは、過去の伝統を受け継ぎつつも、現代的な要素を取り入れて進化を続けている。オルガンジャズシーンを代表するアーティストとしては、ジョーイ・デフランチェスコ(Joey DeFrancesco)、ドクター・ロニー・スミス(Dr. Lonnie Smith)、コリー・ヘンリー(Cory Henry)などが挙げられる。

In the Key of the Universe
Dr. Lonnie Smith – All in my mind (Full Album)
Cory Henry – Operation Funk Live (Full Performance from The Fonda in Los Angeles)

日本では、オルガンジャズが楽しめるライブハウスやジャズクラブとしては、ブルーノート東京(Blue Note Tokyo)、コットンクラブ(Cotton Club)、ジャズクラブ・サムライ(Jazz Club SAMURAI)、ミスターケリーズ(Mr. Kelly’s)、ジャズオニアン(Jazz On Top)、
– 大阪・中津にあるクラブで、アットホームな雰囲気の中で質の高い演奏を楽しめます。オルガンジャライブスポット・ラグ(Live Spot RAG)、モーション・ブルー・ヨコハマ(Motion Blue Yokohama)、名古屋ブルーノート(Nagoya Blue Note)、神戸ジャズストリート(Kobe Jazz Street)などがある。

これらの場所やイベントでは、定期的にオルガンジャズのライブが行われており、質の高い演奏を楽しむことができる。

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